第12話  レベルアップ



 今度はシースに回復魔法を教えてもらう。なんでも、魔法を使う感覚をつかむのに最適な方法があると言って、彼女は俺にしっかりと強く抱きつき、おでこ同士をくっつける。シースの爆乳が俺の身体にムニュっと強く押し付けられる。服の上からでも感触は柔らかく、とても気持ちがいい。その感覚の後で、今度は今までに経験したことのない感覚を味わった。……なるほど、これが回復魔法を使う感覚か。シースのおかげで、最も基本的な、自分を小回復する魔法を使えるようになった。


 次は弓かな。


 ヨイチに弓と槍の扱い方を教えてもらう。その時にこれまたヨイチの胸が当たって気持ちがいい。


 攻撃魔法も覚えよう。


 エルフィーは、シースと同じ方法で攻撃魔法を使う感覚を教えてくれた。シースのような柔らかく安心するような抱き心地ではないが、これはこれで気持ちいい。初歩の攻撃魔法、ファイアボールとウィンドエッジを使えるようになった。


 皆、俺の成長の速さに驚いていたが、その成長速度は、俺のアビリティ・勇者の成長力  のおかげだろう。このアビリティのおかげで、俺が得る経験値は500%アップし、さらに、レベルアップ時のステータスアップには、とんでもなく高いプラス補正が働くのだ。


 こうして、一か月ほど4人のSRと訓練を重ねた。レベルアップするたびに、魅力値を含む各ステータスが上がっていった。魅力値が上がったため、一度に3人と実践的な訓練をこなして、俺の魅力値は95になっていた。一緒に訓練をこなしているうちに、俺たちはすっかり打ち解けあっていた。俺の勘違いでなければ、4人から異性として好かれている気がする。


「勇者様、もしよろしければ、我がプルーメ王国に近く、魔物に支配されているポポタン村を救っていただけませんか?」


 早朝の訓練を終え、5人で朝食を食べ終えたところに、オ・ジーさんがやってきた。詳細な話を聞いて、大丈夫そうだと判断した俺は、5人でポポタン村の救出に向かうことにした。俺自身、実践で力試しをしてみたいと思っていたところだったので、ちょうどよかった。


 5人で馬車に乗って城門をでた。馬車の中は、高級な作りだが、さすがに広くはない。そのせいで、隣のシースの爆乳が、馬車が揺れるたびに俺の身体に当たる。シースはそのたびにほおを赤らめる。それを他の3人がうらやましそうに見ていた。


「大変です。魔物が見えました」


 馬を操っている御者の声を聞き、俺たちは外に出る。遠くにオオカミの魔物が数十頭の群れをなしている。犬が好きな俺にとってはつらいところだが、こういうこともあるだろうと思って、事前にエルフィーに精神操作系魔法をかけてもらっている。そのおかげで、今の俺は動物型の魔物を殺すことに何の抵抗もない。







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 ここまでお読みいただきありがとうございます。


 13話の投稿は、30日の朝7時頃に考えています。


 


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