第6話 他人の休載中を嗤うな

私は今、旅行記エッセイを休載している。


恥を隠さず言うと、モチベーションが根こそぎ消失したので書くのを止めているのだ。皆さんにも解り易い言葉で表現するなら「少々飽きた」と、いうべきなのかもしれない。


長い事更新が途絶えていた最中、同じカクヨムユーザーの方からこんな提案があった。


「休載中という執筆状況があってもいいのでは?」


なるほどもっともである。しかし運営に直談判してたらいつになるか解らない。私は自分の手で直ちに措置をとらせてもらった。


実を言うと休載中なのは旅行記エッセイだけではない。小説家になろうの方で初めて投稿した長編作品が現在休載中である。初の連載にして初の休載。自分の根気のなさにはほとほと呆れて物が言えない。


まあそちらの方はとんでもなく読みにくい上に訳の解らない歴史解説が序盤から4,000文字近くあるので、よっぽどの物好きでも飽きる。オマケに本筋に突入する前の回想シーンでかなりの文字数になっているので書いてる方も飽きてしまった。という訳で現在は回想シーンで止まった状態である。自分の中で広げた構想の10分の1で筆が止まってしまったのでもうここから復活する事はないだろう。内容も厨二病全開なので黒歴史として葬ってしまおうと思っている。


きっと、ネットに限らず小説を書いている人間にはあるあるなのだろう。長編を完結できないあるある。しかしこれはあるあるにして、アマチュア作家の大きな壁のひとつでもある。


連載中の小説を見事完結させる事は長らくの私の夢であった。情けない事に旅行記エッセイは休載してしまったが、ファンタジー長編の「真メフィスト」はなんとか完結させる気でいる。もし年内に完結できなければ、私は二度と小説を書く事はないだろう。それくらいの意気込みで現在執筆にあたっている。


誰に頼まれた訳でもない小説になぜそこまで制約を設けるのかと皆さんは思うかもしれない。いや違う。それは違うのだ。誰に頼まれた訳でもないからこそ。自分で決めた事だからこそ、制約を設けなくてはいけないのだ。でないと私は自分に甘いので、何もできない人間になってしまう。そう思っての事だ。


カクヨムでもなろうでも、長編作品を完結させているユーザーは大勢いる。だが、きっと長編を完結できずに投げ出してしまったユーザーはその何倍もいるに違いない。それ故、私は長編を完結させている方々を心底尊敬する。私はたかだか三万字程度の中編を完結させるのにヒーヒー言っている人間である。そんな奴が今、長編ファンタジーを30話まで書き物語を最終章に突入させた。これは、類人猿が初めて火を起こしたくらい歴史的事件である。流石にそれは言い過ぎだが、私は今書く事に燃えている。


詰まらないかもしれない。読みにくいかもしれない。★もあまりつかないしコンテストの一次選考に漏れているかもしれない。それでも私は書く。この物語を完結させる。アクセスが少なくても、私は書き続ける。私はきっと、そうしなければならないのだ。


「真メフィスト」が完結したら、きっとエッセイも復活させる。頭の中には沢山の物語の構想が渦巻いている。私は、まだまだ物語を書きたい。誰に頼まれている訳でもない物語を。


なぜなら。ただ書いているだけで、私は毎日とても幸せななのだから。


今日は別に笑うとことかは無かったけど、懲りずにまた読んでいただけると幸いです。



かしこ

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