ロボ作品の主人公たるもの、ふたまたは当然?編

 みんな、お疲れ様! 飛猷流狼トバカリルロウだ。いよいよエークス&ゲルバニアン編も佳境かきょうだな。この手のゲームは、章の区切りにボスキャラってのがお約束だ。今回は……まあ、でっけえ奴が控えてるけど、こっちにもサンダー・チャイルドがいるから大丈夫だろう。今回はいよいよ、シルバーの過去とサンダー・チャイルドの秘密が少し明らかになるからな。

 それにしても……陽与ヒヨは大丈夫だろうか。もう、何年も会ってないように思う。


「大丈夫ですよっ、流狼さんっ。元気だしてください」

「そうですよ、俺等がついてますから」

「僕と統矢トウヤさんで、いつでも援護します」

「そうさ、アキラの言う通りだ。きっと会って話せば、時間の空白なんて埋まりますよ」


 アキラ……それに、統矢も。はは、サンキュな。ちょっと気を遣わせちまったみたいだ。少しさびしさを感じてたのかな? 俺らしくもない。

 お前達だって頑張ってるんだ、俺ばかりに弱気になってもいられないな!

 そうだ、アキラ! 統矢も! 三人で昼飯でも――


「アキラッ! ほら、早く食堂いこ? お昼、終わっちゃう」

「そうだぞ、アキラ。たまには三人でゆっくりしよう。今日はこのあと時間もあるし」

「ま、待ってよカグヤ! つばねえも……ひ、引っ張らないで。あ、すみません、流狼さんっ」


 ……はは、アキラはかわいいもんな。モテモテだ。あいつも辛い中、頑張ったんだ。今ではすっかり、オーラムも乗りこなしてる。このまま後半戦になって、新型のオーラムに乗り換えても大丈夫だ。

 お前もそう思うだろ? 統矢……統矢? あ、あれ、統矢……?


「統矢さんっ、半舷休息はんげんきゅうそくなんですから一緒にお出かけしましょうっ」

「私とれんふぁさんは夏物を買いに行きますので、荷物持ちをお願いします」

「たっ、助けてくれ、れんふぁ! おい千雪チユキ、俺を持ち上げるな! 小脇こわきかかえるんじゃないっ! あ、えと、流狼さん……え、なんですその目……ナズェミデルンディスカーなぜみてるんですかー?!」


 ……ふう、なんていうか、こう……アルとアカグマの整備を済ませてしまおう。そしたら少し、休憩しよう。うらやましくなんかないぞ、羨ましくなんか……お、俺にだっていつか、そう、きっといつか……


「そういう時、周囲に貴方あなたを想っている女性がいること……思い当たりませんか?」


 うわっ! び、びっくりした……シファナさん、いつからいたんですか? 全く気配がないから、この姫巫女ひめみこ様は。や、やめてくださいよ、もう……聞いてたんですか?


「アキラー、ほらー、早く食堂いこー? のところから見てました。お悩みのようですね」


 ……全然カグヤちゃんに似てないですよ、ってか棒読みですって。でも、周囲に俺を想ってくれてる人、かあ。えっと……ああ、いつもふねを守ってくれてる美雪ミユキ艦長? それとも、ええと……いつも援護攻撃してくれる、アカリさん? は、シナさんがいるか……えっ、も、もも、もしかして……あ、いや、ミスリルに嫌な顔をされるな。

 ま、考えてもしかたない! 今の俺はリジャスト・グリッターズの一員として頑張るよ。みんなも引き続き、ヨロシクな。また来週、この時間に会おうぜ! じゃあな!

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