芸術の秋、映画を見よう!編

 よ、お疲れ様! 俺は吹雪優フブキユウ、アイリス・プロトファイブのパイロットだ。お前、最近頑張ってるな……張り切るのもいいけど、適度に抜いてけよ? 基本、どんな辛くて苦しいこともさ……ゆるーくこなしていける奴が強いから。そういうのだって、強さだからさ。だから、息抜きして、休憩して、ダラダラ一緒に頑張ろうぜ。


「優の言う通りっ! で? 休暇だしなにする? 街に出るか?」

「街に出るなら、アヌメイトに寄って、ゲーマンズに寄って、ポトブキヤに寄って……それからスメラギの直営ショップで限定プラモ! はぁ、漲るわぁ」


 おいおい雄斗ユウトリュウも……今日の予定ならもう決めてあるんだ。こいつと四人で、映画でも見ようぜ? そう、今日は街に出て、アニメショップにプラモショップ、そして時間を見計らって映画館だ!


「お、いいね! なに見る? 今なら劇場版ケイオスハウルがオススメだぜ?」


 焦るな、ふっふっふ……実は、篤名アツナからチケットをもらってある! 見ろっ、このチケットで四人まで無料で入れるぜ! そして、大ヒット間違いなしのこの映画……『トルムアスタ 転成てんせいのデル』を見るに決まってるだろぉ!


「あ、ああ……おう」

「あ、あのさ、優……そのチケット……なあ?」

「うむ……篤名ちゃんがくれたんだろ? ……残念な子だよなあ、優さあ」

「それって、つまり……意味、わかってるよな?」


 勿論だ! ようやく篤名もわかってくれたんだよなあ、うんうん。熱く燃えるロボットアニメ、めくるめくボーイ・ミーツ・ガール! 青春群像劇の中で生まれる恋が愛に変わる時、少年の勇気は世界を救う! トルムと呼ばれる円柱状の世界で、誰もが持つ力を持たざる者デル! そして、襲い来る謎の敵……忌界人きかいじん! 今っ、塔のような生活圏を守る戦いが始まるッ! はあ、燃えるぜ……よし、見に行こう。すぐ行こう。さあ行こう!


「ダメだ、早くなんとかしないと」

「それに、確か……ちょっとチケット見せてみ? ……あー、やっぱり」

「ん、どうした流」

「この映画、『トルムアスタ 転成のデル』な……まだ封切りされてねーぞ。今月末から来月にかけての公開だってよ。……よかったじゃん、優」


 なんとぉーっ! くっそぉ、見たかったのになあ。四人で見てさ、盛り上がってさ。マックで飯喰いながら、映画の話してさ。んで、そのままのテンションでカラオケ行って……そっかあ、まだ公開してないのか。……部屋で寝て過ごすか、休暇。はい解散、かいさーん!


「こらこら、待て待て。いいからお前はまず、篤名ちゃんにお礼しとけよ。あと、誘っとけ」

「そうだぜ、映画は二人で行けよ。わざわざ篤名ちゃん、お前の好みの映画を選んでくれたんじゃん。な?」


 ……? どうして俺が篤名と映画に行かなきゃいけないんだ? 毎日食堂で会うだろ。それに、あいつさあ……やれ洗濯物はたためだとか整理整頓だとか、部屋にいつも来てうるさいんだよ。一緒にゲームとかアニメとか見ようとして隣に座ってくるしよ、お茶いれるとかお菓子があるとか、おかんかってーの。


「……バブみを感じる……あと、殺意」

「激しく同意、るか」


 ま、しゃーないか。みんな、これからもスパ◇ボ「」と『トルムアスタ 転成のデル』の応援、よろしくな! それじゃ、次回の出撃で会おうぜ! また来週!


・『トルムアスタ 転成のデル』…coming soon!!

https://turmaster.jimdo.com/

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