黒雷ブレス

 姿もなく響くクーニャの咆哮に魔獣たちは警戒を強め魔獣母体を囲う大岩の外側に群がり何者も潜り込めないように生きた壁を形成していく。が、そんな行動も既に遅い、咆哮が響いた直後に爆発音が三回轟いて密集していた方向からは煙が上がっている。密集していた物は破壊完了だろうな、残りは降下組の俺たちが破壊すればこの作戦は完了だ。

「いくら外を守ろうがもうを入り込んでるっての、これで終わりにしてやる」

 新たな黒剣を抜き放ち大岩から魔獣母体へと飛び移る。着地と同時にぶよぶよとした弾力のある嫌な踏み心地が足から伝いバランスを崩しそうになる。

「ったく、見るも気持ち悪い触るも気持ち悪い、ここから魔獣が出て来てるかと思うと更に気持ち悪いな。まぁそれもこれで終わりだよっと」

 魔獣母体に剣を突き立て端に向かって駆け出し身を放り出してそのまま落下しながら切り裂いていく。何かが引っ掛かる事もなく豆腐でも切るかのように滑らかに下まで切り裂くと裂け目からどろりとした溶液が溢れ出し大岩の内側を満たし地面の穴へと抜けていく。

「あっぶね、掛かるとこだった。魔獣を作ってた液体だからな、掛かって身体に異常が出たりしたら最悪だもんな。まっ、これでこっちは破壊完了、あれだけ厄介だったものがあっけないな……みんなは上手くやったかな? 慌てたような地響きが大きくなってきてるけど」

 溶液が溢れると同時に跳び移っていた大岩を登り切り周囲を見渡すと、ここと同じように大岩があるそれぞれの場所で魔獣たちがざわつき混乱したように動き回っている。ヘカトンケイルは見えない敵に業を煮やして破壊された魔獣母体の周囲に岩の雨を浴びせ無差別攻撃を繰り返している。ただ岩が降ってくるだけなら全員対処は出来るから無事だとは思うが――っ!? 野郎砕いた岩を数多ある腕を使って放射状に投擲し周囲の一掃を始めやがった。いつまでも手応えがない事に苛立ってやり方を変えたか、フィオ達は無事なのか? 全員が簡易陣を持ってたから破壊後すぐに使ってれば既に撤退していてヘカトンケイルの攻撃は無意味なものになってるはずだが。

「俺はどうすっかな……まさか陣が描いてあるシートを取り出したところにあんな滅茶苦茶な数の散弾みたいな礫が飛んでくるとか……おかげで陣がどっか行っちまったし、魔獣母体を守る為の岩が今じゃ破壊した側を守る盾か」

 絨毯爆撃でも受けているんじゃないかと思う程の破砕音が響き岩の内側からでも分かる程に土煙が舞い周囲を覆いつくしていく。音は止む気配がないからまだ続いているな、敵も味方も完全に無差別で攻撃している。

「っ! そりゃ、そうなるわな――面倒は立て続けに起こるのか。ここから出られない以上お前らとデスマッチするしかないか」

 ヘカトンケイルの攻撃から逃れようと地面の穴を通って魔獣が侵入してきたのと同時に透明化の効果が切れたようで獅子のような魔獣の一匹がこちらを睨み付け唸り声を上げ牙を剥き出しにして襲い掛かってきた。飛び掛かってくるそれを斬り上げて腹部から上を両断して蹴り飛ばすが次から次へと穴から魔獣が顔を出し得物発見と同時に群がってくる。

「あ゛あ゛鬱陶しい。穴掘れるならお前ら地中に居りゃいいだろうが!」

 穴から顔を出したばかりの物には電撃を纏った踵を落として感電死させ穴を塞ぎ接近してくる物には黒剣での斬撃を、こんな所で電池切れになるわけにもいかないから派手に能力を使う事はせず剣での攻撃をメインに処理していく。しっかしこれだけ穴が多いと全部塞ぐのは骨が折れるな、外の音も未だに止みそうにないし当分ここに居座る事になりそうだ。

「ほんと畳み掛けるな。ようやく魔獣が治まりかけてたってのに、今度は量産ディアボロスかよ」

 大蛇の頭部を斬り飛ばした瞬間衝撃波が落ちてきて吹き飛ばされる。その隙を突いて向かって来た犬っぽいのを黒雷を纏って踏み付け上空へと跳躍し群れへと突撃して斬り裂き叩き落す。ヘカトンケイルの攻撃の音は止んでいるが一帯を完全に土煙が覆っている。こんな状態で俺が見つかったのは黒雷のせいか?

「うおっ!? 跳んだのは失敗だったか」

 大岩の上空に屯していたのは全部落としてやったがそれを追って来ていた奴の衝撃波を食らい隔てるものもない空中を止まることなく横に吹っ飛んでいく。

「い゛いっ!? 飛ばされた先にヘカトンケイルとかマジかよ……いや、ここでこいつも仕留める。魔獣母体が無くなった今残ってる厄介なものはこいつだけだ。これでも食らえ――なっ!?」

 上空から異形の巨人へ向け剣先から発生させた極太の黒雷の鞭を振るった瞬間、突然膨れ上がった地面がヘカトンケイルを覆うように盾になって俺の攻撃を防いだ。

『オ前カ? ミテラ壊シタノ、オ前カァアアアアア!』

 敵が見つからない状況でようやく見つけた敵と思しき存在の俺を確認した途端に無数の顔が鬼の形相で俺を睨み付け咆哮を上げる。巨人の叫びに呼応して盾となった地面に無数の棘が生えて俺を貫こうと向かって来た。これは、ヘカトンケイルが操っているのか? まるでツチヤのような……まさかこいつを創る素材にされたのか? ――考えてる場合じゃない、直撃する瞬間に剣を突き立て身を躱して棘を足場にして突貫する。

「これがお前の仕業だろうと、こんな雑な攻撃当たるかよ」

『黒イ雷……アスモデウス様ニ聞イタオ父様ノ仇、ミテラマデ壊シタ! オ前、体少シズツ磨リ潰シテ殺ス!』

 俺の接近に気付き盾となっていた地面をぶち破って拳を伸ばしてくる。わざわざ自分から近付いて来てくれた、このまま感電させて一気に終わらせる――なっ!? 黒雷が纏わりついているというのに怯む事なく手を伸ばし続けている。

『オレノ体特別、凄ク痛イケド我慢デキル』

 足場にしている盛り上がった地面を波打たされバランスを崩したところへと数多の腕が伸びてくる。これだけ体格差があれば確かに磨り潰すなんて事も出来そうだ、でも! リオと約束したんだ。俺は決して諦めない。地面に剣を突き立てそれを支点にして回転させて盛り上がっている場所からの脱出を図る。少しでも動きが鈍ればと電撃を放つが少しも怯む事なく腕が迫り――。

「儂の主に触れるな化け物めっ!」

 ヘカトンケイルの太い指が取り囲み掴まれるという刹那に上空からダイブしてきたクーニャが巨人の頭部を踏み付け押し倒した。そのまま巨人の体を引き裂こうと帯電した腕を振るったクーニャだが数多の腕に組み付かれ押し返されている。

『邪魔、オレアイツ殺ス』

「させぬと言っておろう――ぐぬぅ、これ程の力とは……何故儂の雷が効かぬ? ぬぬ!?」

「マジかよ!?」

 組み付き押し返す勢いをそのままにヘカトンケイルはクーニャを持ち上げてしまった。あの巨体が自身の力以外で浮くなんて事があり得るのか!? 巨人の怪力に驚愕していると今度はクーニャの方が羽ばたき持ち上げ始めた。

「雷が効かぬならこのまま上空から落としてくれる――っ!?」

 ヘカトンケイルを掴んだまま飛翔しようとしているクーニャの背後に地面から伸びてきた石の鎗がぶち当たりバランスを崩した巨体を巨人が巴投げして吹っ飛ばした。ありえない巨体同士のぶつかり合いに開いた口が塞がらず立ち尽くしていると不意に肩を叩かれた。

「ワタル、立ち尽くしてる場合じゃないでしょう? 今のうちに一旦退きましょう」

「ティナ……無事だったか」

「ええ、というより戻ってこなかったのはワタルだけよ? 何があったの?」

「いや、陣を失くして……魔獣と戦ってるうちに量産ディアボロスに吹っ飛ばされて――まぁそれはいいとして、俺はこのままあいつを仕留める。外法師を殺した事と魔獣母体を破壊した犯人として認識してブチ切れてるからこのまま撤退したら壁に突っ込んで来そうだし、ヘカトンケイルさえ倒しておけば後は壁上からでも兵士がチビチビ削っていけるしな。それにあいつは守るものがないから暴れ放題だ、今止めておく必要があるんだよ」

「倒せるの? 遠目で見た感じだと強力になったはずの黒雷が効いていないように見えたのだけど、無茶は嫌よ?」

 呆れ半分心配半分といった様子で聞き返すティナを安心させるように手を握る。

「絶対ではないけどな、黒雷も効いてない訳じゃないのはあいつ自身が告白してるし剣もあるからレールガンも撃てる。遠距離の電撃の制御は今一だからこっちが本命だな、頭部全部を吹っ飛ばすか心臓を撃ち抜けば流石に死ぬだろ」

「……分かったわ、ならみんなで戦いましょう。ワタル、レールガンを一発空に打ち上げて」

 胸の谷間から取り出した簡易陣を広げてレールガンの使用を促される。何かあった時の合図としてこっちに来る前に打ち合せしていたんだろう……いつも思うが大切な、守りたい人たちと一緒に戦場に立つってのは何とも複雑な気分だ。危険に晒すことなく一人で処理出来るだけの力があればいいんだが、相手は規格外の化け物ばかりだからどうしても協力は必要になるか。

「ほら早く、巨人がこっちに狙いを付けたわ」

「はよ言え!」

 振り返ると巨大な手の一つがこちらに落ちてくるところだった。振り下ろされる拳目掛けて俺に出来る最大の攻撃をぶつける。周囲に響き渡る轟音と共に黒い閃光が剛腕の一つを貫き空へと立ち上り消えていく。

「なんか陣から人が出てくるのって召喚魔法みたいだな」

「暢気なこと言ってないでどんどん撃たないと、あれだけ頭があるんだから大変よ? 私がワタルを連れて跳ぶからフィオ達は上手く隙を作って」

 着いて早々に状況を理解したフィオとアリスはやる気満々でデカい得物を構え異形の巨人を見据えている。

「ワタル! 戦うなら戦うで何故前以て言っておかない、一人で危険な事をするなと目覚めた後に散々言っただろう!」

「いや、俺だって不測の事態だったんだって、そんなに怒るなよ――って、ミシャまで来たのか!? 鍛冶疲れで爆睡してたのに大丈夫か?」

 フィオ達に続いて陣で移動してきてすぐに怒鳴り声を上げるナハトに遅れてミシャまで現れた。何か不満な事があるらしく拗ねたようにぷく~っと頬を膨らませて詰め寄って来たので左右から突いて空気を抜いてやる。うん、良いほっぺだ。

「旦那様! なーぜ妾を置いて行くのじゃ! 妾とて戦えるのじゃぞ? 剣技ではフィオやナハトに劣るかもしれぬが素早さはフィオ達にだって引けを取らぬのじゃぞ、絶対に役に立てるのじゃ」

「分かった分かった、悪かったって――っ! 全員散れ! こいつは地面を操る、十分に気を付けろ!」

 俺の立っている周辺が膨れ上がりヘカトンケイルの目線の高さまで上昇したところで複数の腕を一気に振り抜いてきた。砕けて弾ける地面を尻目に伸び切った巨人の左側の腕の上を駆けながら剣を構える、これだけ近ければ盾を生成する事も出来ないはず。

『ッ! ソレハモウ受ケナイ!』

 射撃の瞬間に俺の乗っている腕を傾けて角度を変える事で射線をずらして躱しやがった。腕から落下する俺を貫こうと地面から先鋭な鎗が伸びてくる。身体を捻りそれを切り裂こうとしたタイミングで後ろから何かに引っ張られるようにして身体が浮いた、それと同時にアリスが大鎌で鎗を根元から刈り取った。

「フィオか、別に助けてくれなくても今のは対処出来たぞ?」

「ワタルの仕事は仕留める事、そっちに集中して、その他は私たちがやる。ティナしっかり運んで!」

 アル・マヒクの巨大な剣身に俺を乗せて上空へと打ち上げ巨人の頭上の死角に跳んでいたティナの元へと送られる。フィオの狙いは狂いなくどんぴしゃでティナが俺をキャッチした。

「俺と一緒だと相当危険だぞ?」

「構わないわ、私の能力は移動に長けてるのよ? 捉えられるものならやってみればいいわ」

 ティナの挑発が聞こえたのかヘカトンケイルは自分の周囲に鎗と手持ち用の円形の盾、そして大小さまざま岩を生成してそれぞれの手に掴み取りこちらに狙いを定めた。

「っ! ティナ! 散弾が来る、跳べ!」

 岩を砕いた礫が投擲されるのと同じタイミングで俺たちは空間の裂け目へと退避する。限りがあるなら電撃で払う事も出来るが複数ある腕から途切れることなく発射されるあれを凌ぎ切るのは難しい、裂け目を抜けるとヘカトンケイルから離れた地上へと出る。奴は俺たちを見失った事に苛立ち頭上へと投擲を続けながら鎗で足元のフィオ達へ攻撃を繰り返している。あれだけ頭と腕があれば死角を探す事や隙を作る事も簡単じゃないな……ナハトが起こした炎に包まれながらもそれを振り払い文字通り地面を変形させて皆を追い込んでいく、クーニャが組み付き投石を行っていた左側を押さえ込もうとするが異常な怪力でクーニャをぶら下げたまま体を振り乱し暴れ回る。

「ティナ跳んでくれ、俺が見えてればこっちを狙うからみんなも多少動きやすくなるはずだ」

「連続で跳ぶわ、撃てそうならワタルはどんどん撃ち込んでね」

「了解!」

『見ツケタ、オ前タチ! コイツラノ相手ヲシロ、オレノ邪魔ヲサセルナ!』

 俺を見つけ吠えるヘカトンケイルに反応して魔獣と量産ディアボロスが集まり始める。あれだけ奴の散弾に仲間が殺されたというのに躊躇う事なく従いフィオ達の妨害を始めた。ナハトが魔獣を炎で薙ぎ払い、フィオがアリスを打ち上げて上空の量産ディアボロスを処理する、そしてミシャが大量の蔓草で巨人を縛り上げクーニャが押さえ込む事で動きを制限していくがそれでも尚衰える事なく暴れ続け俺を狙い鎗を振るう。何度かレールガンを撃ち込んではいるが地面を変形させた盾に加えて分厚く硬い岩盤か鉱石で生成したラウンドシールド数枚を重ねる事でどうにか防いでいる。一撃受けるごとに盾は破損してそれの生成に専念している為散弾用の岩を生み出す事がないのが唯一の救いだった。

「クソッ、この距離じゃ盾で防がれる。盾の内側に入り込めないか?」

「あれだけ鎗を無茶苦茶に振り回してたら跳んだ瞬間に直撃を食らうかもしれないわ。それに――きゃぁあああああっ!?」

 ティナが俺の方を振り返った一瞬の隙を突いてアリスの鎌から逃れてきた量産ディアボロス数匹の放った衝撃波が直撃して巨人の方へと吹き飛ばされる。衝撃波を受けた事でティナの手から剣が離れた、いくつもある奴の目がそれを見逃すはずもなく鎗が振り下ろされる。ティナに俺の剣を――いや、渡してから空間を切る動作まで間に合わない。攻撃が当たる間際の一瞬のうちに直感しティナを逃がす事だけに集中する。

「フィオー!」

 叫ぶ前には既にティナを放り投げていた。フィオが気付いた、よし、上手く受け取ってくれよ。振り返り剣を構えようとした時には全身を衝撃が打ち抜いた。空中から叩き落されヘカトンケイルが暴れ回って出来たクレーターの一つに叩き付けられた。痛みが駆け巡り呼吸がまともに出来ない……動け、奴が来る。動くのか? という疑問を放置してもがく、周囲には砕けた盾の大きな破片が散乱していて身を隠すだけならどうにかなるはず。這いずり移動しようとした時にはもう遅かった、奴に見つかった。伸びてくる魔手から逃れようと手を突こうとした瞬間支えるものを失い転げ落ちた。クレータの中に鎗が刺さった深い縦穴があったようでそこへと嵌まってしまったようだ。

「うげぇ、気色悪い。魔獣の死体が入ってんじゃねぇか――っ!?」

 穴をほじくるように太い指が入り込んできた。俺に触れた瞬間その動きは激しさを増し荒々しく穴を広げていく……掴まれる!? 咄嗟に身体を捩って魔獣の死体の下へと身体を潜り込ませた。

『ハ、ハハハハハ! 潰シタ、磨リ潰シタ! オ父様ノ仇殺シタ!』

 俺の上にあった死体を掴み中身を確認する事なく握り拳を蠢かせて磨り潰して血が噴き出したのを見て俺を殺したと誤認したようだ。途端に響く絶叫、フィオ達のものだ。あぁ、やべぇまた泣かしたかもしれない。どうにか這い出そうともがいていると戦闘音が激しくなり地響きが近付いて来たと思った時には縦穴全体が大きく揺れた。どうやらまたクーニャをぶん投げて俺の居る場所へ叩き付けたようだ。

「っ! ある――」

「しーっ!」

 縦穴に顔を突っ込んだクーニャが声を上げようとするのを咄嗟に黙らせた。身体は碌に動かないが死角からヘカトンケイルの心臓を撃ち抜く方法を思いついた。

「クーニャ、俺を食え」

「何を言っておる、なぜ儂が主を食わねばならぬ。儂は人間など食わぬ、それより――」

「聞け、俺の身体は殆ど動かない。出来ても一回レールガンを撃てるかどうかだ、だからその一発で決める。クーニャは俺を口に含んだまま奴に組み付いて心臓付近で開いてくれ、何度も組み合ってんだから出来るだろ?」

「それは、確かに出来るかもしれぬが……ぬぅ、やるしかないか」

 器用に俺だけを口に含み動き出した。自分で言い出してなんだがマジで食われてるみたいだ……起き上がる事は出来そうにないのでクーニャの舌に寝そべった状態で剣を構える。口が開いた瞬間に撃ち込んで終わりだ。大きな揺れと幾度かの衝撃の後、光が差し込んだ。巨人の胸板が至近距離にある、これで終わり! 今出来る全てを凝縮した右手で剣に触れた瞬間轟音と共に激しい閃光がヘカトンケイルの胸に風穴を開けた。

『ナニ……コレ、アイヅ、イギデルッ! 殺ス! 仇、殺、ス…………』

 怨嗟の言葉を吐きながら異形の巨人は大きな音を立てて大地へと倒れ伏した。あれだけ暴れ回り地面を抉っていた巨体はぴくりとも動く気配はない……倒した。クーニャが俺を吐き出しするりとその手に収めそこから再度巨人を確認して安堵のため息を漏らした。

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