第28話 ~紅雲高校創立祭~

 創立祭当日。

 私とビリニュスは先輩とザグレブ、桃音ちゃんとティラナ達と一緒に訪れた。

 校内に入ると周囲からの視線が熱くなった。

「何だかすごく見られていますね」

「お客だから珍しんでしょ」

「そうなのですか?」

 違う。理由は二つだ。

 先輩は袖にフリルが付いた白いニットプルオーバーに白い花柄が沢山ついた黒いスカート、黒のヒールブーツは正に『大人の女性』だ。

 桃音ちゃんはピンクのレース柄のワンピースにピンクのレースシューズで髪の色に合わせている。

 モデルのような美人二人が歩いているので周りにいる男子は見とれ、女子は驚いていた。

 私は白のYシャツにボタンつきの黒のベストに黒のズボン、黒のスニーカーと普通の私服だが私が目立っている理由は別だ。

「見ろ! 四宝朱火だ!」

「とうとうこの学校まで勢力を拡大させてきたか!」

「どうしよう……この学校、平和だから不良なんていないぞ」

 聞こえているぞ。ワザトか?

「朱火ちゃん……すごい怖がられているね」

 桃音ちゃんが囁いてきた。

「ま、私はそれくらいこの地区では有名なんだよ」

 私が一番自慢できる事だ。

「朱火さん。僕はこれからザグレブとティラナを連れていきます」

「ああ。私達も後で合流する」

「桃ねーちゃん! 待っててね!」

「頑張ってね」

「待っててくれよ。巫女十」

「気をつけて行くのよ」

 ビリニュス達は犯人の所へ向かって行った。

 私達はあちこちを回り、ビリニュス達を待っていた。

 生徒と客ですごい人だな。

 学校祭ではないので店はバザーしか出ていないがあちこちに生徒がいる。仕事中か?

「・・・・・・!?」

「あ、朱火ちゃん!?」

 辺りを見回していると信じがたい光景を目にしたのでとっさに桃音ちゃんの後ろに隠れた!

「朱火? どうしたの?」

 先輩が聞いてきたが答える事ができない。

「な、な・・・・・・」

 何で小雨アイツがいるんだあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!

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