第17話 ~四宝源一郎~
私とビリニュスはあれからザグレブと別れ、家に帰宅して私の部屋にいた。
「まさかザグレブがあんなどスケベだったなんて……」
「お前はあんな執事になるんじゃないぞ」
「さすがになりませんよ!」
「まぁ、ビリニュスなら大丈夫か」
ヘタレだし。
「そうそう、今日学校を探索していたらまた執事の気配がしました」
「ザグレブじゃないのか?」
「ええ。僕も最初はそうじゃないかと思っていましたが探している途中で見かけたので違いまます」
あの学校は執事があつまる学校だな。
「今度こそベルンじゃないだろうな」
「わかりません。しかし前回の事もあるので違う執事かもしれません」
「そうか」
ベルンだったらまた戦わなければいけない。椿姫戦と同じくらいの激戦になるだろうな。
「正直、指揮官長には会いづらいです」
「まぁ、敵同士になったからな。会いたくなくて当然だ。ところでベルンってどれくらい強いか知っているか?」
「戦っている姿は見た事が無いのでわかりません。きっと朱火さんと同じくらい強いと思います」
「椿姫の右腕みたいな奴だったからな。強敵になるのは間違いないな」
どんなに強いか戦ってみたいな。
ガチャ
閉めていた部屋の扉が開いた。
「朱火、ちょっといいか」
爺さんだった。
「いいけど」
「撫子さんがどこに行ったか知らないか?」
「お袋ならさっき買い物に出かけたけど」
「そうか」
扉を閉めて行ってしまった。
「今のは朱火さんのお爺さんですか?」
「そうだ」
「なんだか強そうなお爺さんでしたね」
「まぁ、結婚する前はこの街の不良の秩序だったからな」
「『不良の秩序』ですか……」
まぁ、驚くだろうな。
「ここ
この話は爺さんから何度も聞いた話だ。私の自慢の家族の話なので好きな話だ。
「スゴイお爺さんですね」
「昔からこの地区に住んでいる人達はに
「父方、母方どちらですか?」
「父方だ。なのに親父は喧嘩が弱かったみたいだ」
「そ、そうなのですか」
「なので代わりに私が喧嘩好きになった様なものだ」
「隔世遺伝ですね」
「せっかく孫に遺伝したのに『もっとおしとやかになれないのか』って言ってくるんだよ」
「それは朱火さんが女性だからですよ」
「男って大人しい女が好きなのか?」
「そうですね。僕は元気な女性も好きですが」
昔の人だからか? それとも元気なのは男にとってうるさく感じるからか?
私はそれほどうるさい女じゃないと思うが。
「でも朱火さんの事は『可愛い孫』だと思っていますよ」
「そうか?」
できれば『秩序時代の自分を引き継いでくれた自慢の孫』って思ってほしんだけどな。
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