第9話 ~命知らず~
「……あの子はどんなに小さな悩みでも何でも私に相談してくれた。だから妊娠なんて大きな悩みも絶対私に相談してくるわ」
意外と普通に答えてくれた。
「そうですか。ところで復讐って同じ事をするのですか?」
「もちろんよ。リラも学校から追い出してやるわ。納得してくれた?」
「……納得ってよりも『おもしろい事聞いた』って思いました」
「どういう事?」
「もし会長が学校から追放されたら私は『副会長がやった』って全校に広められますからね」
「! ま、まさか、それが目的だったの!?」
いや、今思いついた。だがちょっと見栄を張りたい。
「そうですよ。副会長ともあろう方がこうもベラベラ喋ってくれるとは思いませんでしたけど」
「くっ!」
「さ~て、どうしようかな。まぁ貴方が復讐をやめるのなら広めませんけど」
年上をイジルのは偉くなったみたいで気分が良い。
さて。この副会長、これからどうするつもりだ?
「先輩に、しかも副会長に喧嘩を売るなんて貴方は『命知らず』という言葉を知らないのかしら?」
「『命知らず』? 知ってますよ」
喧嘩女王時代に何度聞いた事か。
「ならいいけど」
「巫女十。コイツに先輩の威厳ってヤツを戦って教えてやったらどうだ」
ザグレブが副会長に助言した。
「年下の女の子と戦うのは気が乗らないわね。貴方も戦うのは嫌じゃない?」
「いいですよ。私は」
むしろ大歓迎だ。
「驚いた。言っておくけど私は小さい頃から英才教育として武道をたしなんでいるのよ」
「しかも執事に変身できる人間の女はかなりの実力を持っている。それでも戦うっていうのかよ」
ザグレブの言葉を聞いてやる気が沸いてきた!
「それでもいいですよ。戦う準備はできています」
「私に喧嘩を売った事、後悔するといいわ!」
「いきますよ!」
手始めに私は走って副会長に向かって行った。
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