ラブテスターさんの描く作品には独特の生々しさー鼻腔に生温かい湿気がまとわりつくような気持ち悪さや生々しさーがある。文章だけでこういった五感を覚えさせるというのは実は中々できることではなく、ある種の筆力がないと描けないと思う。またそれに加えて今回はミステリーで描く事で気まずさ、やり切れなさにも踏み込んでおり、生々しさとのテイストにうまく絡み合っているように感じた。
やり切れなさに関して作者なら更に美味く料理できるような予感がしたが、これは大した問題ではない。それよりも作者の今後の作品を追うことでどう変わっていくのか楽しみに見て行きたいと思った。ごちそうさまでした。