村雨の露もまたひぬ真木の葉に

霧立ちのぼる秋の夕暮

むらさめのつゆもまだひぬまきのはに

きりたちのぼるあきのゆふぐれ

寂蓮法師

訳）

にわか雨が通り過ぎ、その露のまだ乾いていない木の葉に霧の立ちのぼる。

秋の夕暮れ。

超訳)

にわか雨後の霧もやに霞むたつ杉の木々。

水墨画にありそうな風景だ。

ちょっと一言)

日本人て雨好きですよね。

雨を表わす言葉もたくさんあります。

村雨(むらさめ)

強く降って急にやむ雨の事。にわか雨。

地雨(じあめ)

じっとりまとわりつくような鬱陶しい雨

天泣(てんきゅう)

晴れているのに降ってくる細かい雨。狐の嫁入り

時雨(しぐれ)

晩秋から初冬にかけて降る、ザッと降ってすぐ晴れる雨の事。

春雨(はるさめ)

春に降る地雨のようなじっとりとした雨。

甘雨(かんう)

草木を潤す様に降る雨。

秋の山といえば紅葉。赤や黄色の世界。

なのにこの歌はあえて常緑樹を詠んだいる。

紅葉が鮮やかで物寂しいのに対し、この歌はモノトーンなのにどこまでも力強い。

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