深紅の宝玉 2

「こんこんこん」


再び俺をベッドから突き放す扉の音。まぁ、この部屋に呼んだのは俺なんでけどな・・・。

そして、ドアノブをつかむ。広がっていくすきまから茶色の髪が姿を現した。


「きたよ、ブレッド」


さわやかに現れたパルム。俺は右手を挙げた。


「それで、明日の白亜の塔はどうやって攻略するつもりなの?」


ずかずかと中に入り混んできたパルムはベッドに腰を下ろす。


「うん、もう一度ジンクスさんが書いた本を見せてくれないか」

「いいけど・・・」


パルムは戸惑いながら金縁の本を手わたした。

俺はペラペラと本の終盤のページを開く。


「やっぱりあったか、見ろパルム、このこのページ」


パルムは体を名いっぱい伸ばしてのぞき込む。


「えっ、なにこれ、じつは僕もまだここまで読み切ってなかったんだよね・・・」


パルムが驚くのも無理はない何せ、俺が見せたページはブレッドが残した必殺技なのだから・・・。


「それにしよもよくこんな技がこの本に載っているなんて知ってね」

「昔から探し物が得意なんだ」


俺は鼻を鳴らした。

明日の依頼・・・いや、正確に言えば挑戦だが、白亜の塔というところに攻めに行く。

たった三日で作られたその塔はなっぞに包まれておりわかっていることはモンスターの巣窟だということだけだ。


「それでなんだけどさ、そのなに?・・・宝玉?はほんとうにそこにあるの?」

「さぁな、でも、この辺一帯はゴブリンがほとんどを占めてるし、あれだけ立派なお城、王様のため以外にはたてないだろ?」


なっとく行かなそうにうなずくパルムだったがすぐに表情を元に戻す。


「じゃ、明日は作戦通りってことで、僕は後方で回復と魂法担当ってことでいいんだよね」

「おう!」


その会話を最後にパルムはもう寝ると言い残し部屋を後にした。いつもならここから練習に出かけるパルムと俺、それからフィルとイブのわけだが今日は明日が控えているため早く寝ることが義務ずけられている。俺はフィルに言われ通り、おとなしく布団をかぶりクリスタルを消した。

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