泡沫の夢をみる2 楼主の事情

作者 早瀬翠風

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★★★ Excellent!!!

まずは前作『泡沫の夢をみる1 絵師の登楼』をお読み下さい。
3万字程度の読みやすい作品です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881449218

遊郭の雰囲気を最大限まで引き出す巧みな文章がそこにあります。


時代物には欠かせない言葉使いや名称などは、作者さまの探究心を感じました。作中に出てくる有名な詩は、物語の中に溶け込む素晴らしい出来栄えです。

知性的な台詞のやり取りの裏に、理性がグラグラと揺れる恋心は読み手を惹き込むでしょう。

是非、前作から読んで欲しい作品です。


読み始めれば、すぐに分かる文章の美しさ。

爽快感の中にあるジワリジワリとした読後感。

締め付けられるような葛藤や想い。それらが綺麗に晴れるような感動が待っています。


おすすめの続編作品です!

★★★ Excellent!!!

シリーズ物の第2作目ですが、1作目の絵師編と時間軸は重なります。絵師編の脇役を主人公として、1つの物語を複眼的に深掘りする構図です。
カクヨムでは、この様な構成の連作を能く見かけますが、この構成を完成するには相当の力量が求められると思います。作者は、この高いハードルを易々と飛び越えている。
私は、これから3作目の読書に取り掛かります。
どんな作品なのか?
1作目のレビューを繰り返しても芸が無いので割愛しますが、どうせ1作目から読む事になるでしょうから、そちらを御覧ください。

★★★ Excellent!!!

熱っぽいのに優美で、切ないのにどこか優しい。
そんな作者様の紡ぎ出す世界に浸れる泡沫シリーズの第二弾。
第一弾で名脇役だった楼主・兵圄と、これから女郎になろうという少女すまとの純愛を描いた物語です。

楼主という己の宿命を頑なに受け入れようとする兵圄は、愛する少女を自らの手で苦界に落とさざるを得ません。
彼女を堕とすのは自分、しかし苦しみを代わってやることも出来ない。
須磨は日毎に穢れていく自分を楼主に知られながらもそれに抗うことは許されない。何より愛する楼主がそれを許さない。
日毎に増していく思いを心の内に溜めていく二人。
時折触れ合い心を震わせる二人。
その密やかで情熱的な描写の美しさと切なさに何度も心が締めつけられました。

吉原や遊郭の知識がなくても楽しめ、読後感も良い作品。
あなたも艶やかで切ない世界にどっぷりと浸ってみませんか。


★★★ Excellent!!!

どこまでも美しい日本の四季
儚くもろい月の姿
胸がつまるほどのせつない和歌

それらが主人公ふたりの恋模様を彩ります。
江戸時代の花魁の恋物語。
読み進めるほどに切なく辛くなってしまいます。

まるで自分がその舞台にいるかのような臨場感です。
美しい景色が目の前に広がります。

こんなカタチの純愛もある、と思いました。
とにかく美しい物語です。

ぜひ江戸時代までタイムトリップしてみてください。


『泡末の夢を見る 絵師の登楼』の続編です。先にこちらを読まれると世界観に深みが増すと思います。

★★★ Excellent!!!

吉原の楼閣、藤島屋を舞台にした、人情と情愛の物語です。

楼主と女郎の恋は許されない。
けれども、二人は想い合ってしまった。

楼主としての自覚と矜持にとらわれた生真面目な男と、日毎に穢れていく己の身に苦しむ気立てのよい女。
募る感情に身を焦がし、ひとつ屋根の下で暮らしながらも、ろくに顔を合わせることもできない二人は、和歌を交わし、知人の言伝てに頼り、長い長い十年間を過ごしていく。

背景事情は妖艶で残酷でありつつも、描かれる恋は清廉で純粋です。
月を愛でる酒に江戸の風流を思いながら、美しい人情話に心地よく酔わせていただきました。