インダストリアル

作者 ゴム子

91

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★★★ Excellent!!!

 物語は主人公の一人称視点で書かれている。主人公の思考の移り変わりが軽快に描写されていて読みやすいと感じました。一人称視点の書き方のお手本のように思えます。自分も見習いたい。

 何処か機械的に思考をし、冷静な現状分析を行い、感情を使っていないように思われた主人公。彼女が作中内での出会いを機にガラッと感情的な考え方を文面に発露させている様は必見。まぁ待て落ち着けと声を掛けたくなるというか、少なくとも私は見てるこっちがなんだかそわそわしてきてしまいます。

 ここまで綺麗というか、丁寧な心の中の変わり方を見せられたら、この二人の今後の展開が気になって仕方ありません。

★★★ Excellent!!!

 レズじゃん!!!!!!!!(歓喜)
 またこれはものすごい重みのテーマである。もっとも、実に効果的に運用されているので一種鮮やかである。
 特筆すべきところはやはり、緊縛と解放の文章だと思う。前半の重く束縛されたアトモスフィアから、後半の自由と孤独への解放。そしてそれを象徴するような海という女。
 海との出会いはそのまま、佳音の解放とイコールなのである。
 自由と、恋愛。これは本来相反するものだと考えられがちなものであるが今作においては、どうだろうか。
 インテリゲンチャぶった批評ばかりしていても面白くないので、ここでひとつフェティシズムの話をすると、酔って方言が出る女は性欲が強い(偏見)。めちゃくちゃ好き。海とかいう女書いただけでもこの作品をめちゃくちゃに褒め称えたい気分。最高。
 何度も言うようであるが、重いテーマだけに、匂い立つ百合で心を癒してもらいつつ、読み進めたい。
 なにとぞ、なにとぞ。
 今後の更新にも期待していく。

★★★ Excellent!!!

ビンの中の生き物の生態を述べるような無機質な表現で始まる彼女の話でこの小説は始まる。一見からりと乾いているようなのにあたたかみに満ちていて、でもどこか前向きだ。しかしだからこそ、絶妙な塩梅で主人公の抱いた安息や安心が演出されている、とおもう。その落差は読んでいて非常におだやかで、穏やかに感動的だ。この独特な良さ、貴方に伝わるだろうか。おすすめであります。

★★★ Excellent!!!

 軽快で飾り立てない文体が、とんとんとつま先立てて駆けていくようなとても心地の良い感覚を読む人に与えてくれます。しかしながら、内容はふとすれば重くなりすぎてしまいそうでもありまして、そこを綱渡りのように上手くバランスをとっているのが、ぐっと読み手を引き込みます。
「何かが起きる。時に苦く、時に甘く、僕達を決して飽きさせてはくれないだろう」という素敵な予感が、心を静かに昂ぶらせてくれます。