泡沫の夢をみる1 絵師の登楼

作者 早瀬翠風

虐げられた世界だからこその純愛。最後まで気が抜けません!

  • ★★★ Excellent!!!

これは是非読むべき作品です。
文字数は3万字強なんですが、サクッと読んでも良いし、腰を据えて読んでも読み応えが有ります。
本作品に関して、私は熟読派でした。ジックリと楽しまないと勿体無い。"ハードノベル"のタグを付けているのに納得です。
物語に関しては他のレビュアーに譲って、私は別の視点から。
言葉遣いが本作品の雰囲気を際立たせているんですわ。
嫡娼(あいかた)。辞書に拠ると普通は"敵娼"らしい。"敵"には相手の意味が有るそうです。それを"嫡男"の"嫡"ですよ。男が一途に女を想う感情が漢字に現れている。
自暴自棄にヤケクソの振り仮名。普通は自棄糞ですよね。でも、"糞"を当てるより雰囲気が出る。
"惣花"も調べたんですが、花の一種ではなく、酒の銘柄。江戸時代に始まった兵庫県灘の日本酒で、今も一級品。私は飲んだ事が無いですが…。隅々まで時代考証が行き届いている。
セリフも"台詞"じゃなく"科白"。"科白"には言葉+仕草の意味が有る。
吉原女郎界の"禿(かむろ)"や"新造"も勉強になる。
全てが、こんな感じなんです。
読まなきゃ損ですよ。

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