第18話 照明
天井の明かりが、チカチカと不規則に消えたりする。
ついに照明まで故障したか。
微小天体衝突事故から4日が過ぎた。
まだ人工知能とは連絡が取れない。
俺「はやふさ9号人工知能CPUへ、現状を報告しろ。」
・・・返事が無い。
俺「はやふさ9号へ、何でも良いからノートPCへ文字を送ってくれ。」
・・・返事が無い。
このモジュールの壁の裏にある人工知能と連絡が出来ない。
こんなに近いのに(会話)が出来ないとは。
地球との通信も人工知能を経由するので、JASA本部とも音信不通。
俺は完全に孤立した。
このノート型PCのメモリーは健全だ。
地球出発時までのネット情報のバックアップ記録は調べられる。
だが通信だけが出来ない。
一方的にネット情報のバックアップ記録を検索できるが、誰からも連絡は来ない。
「ネットにつながっていないネット」の様な奇妙な雰囲気がある。
まるで時が止まり誰もいなくなった街を独り歩くような気分だ。
唯一の希望は壁の裏の人工知能だ。
水のリサイクルや空調など生命維持装置は運転継続している。
これは人工知能がまだ生きている可能性を示している。
人工知能は生きていて、(会話)が出来ないだけの状態かもしれない。
照明が不規則にチカチカと消えたりして不快なので寝袋をかぶって寝た。
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