第16話 対ショック姿勢

昼食後に熱い湯をズズッと飲んだ。


さてノート型PCで映画鑑賞を楽しむとするか。

その瞬間、はやふさ9号の室内照明がパチパチと点滅を繰り返した。

パチパチと点滅・・

これは緊急連絡のサインだ。

はやふさ9号の人工知能CPUはノート型PCに文字で緊急連絡を送ってきた。


CPU「緊急連絡。近くを通過する予定の微小天体の軌道が変わりました。」

CPU「微小天体の衝突に備え、対ショック姿勢をとってください。」


微小天体が、この探査機に衝突する?

ウソ。死ぬだろ?それ。

ええと、対ショック姿勢、だったな。

俺は床に固定された寝袋にもぐりこむ。

ノート型PCを寝袋に引きこんだら頭から寝袋をすっぽりとかぶる。

対ショック姿勢とは言っても、ふだん寝てる時とあまり変わらない。


CPU「微小天体衝突まで50秒です。」

俺「今まで予測出来なかったのか?緊急回避し 」

すさまじい金属音とともに俺の体はタタミに押し付けられた。

全く動けない。

まだ50秒たってねえぞ、この野郎。

体が床に押し付けられて、もう背骨がギシギシ限界だ。

視界がブラックアウトして俺は意識を失った。





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