探査機はやふさ9号(有人)

第11話 娯楽

「子猫　かわいい」と検索するとモフモフ画像が表示された。

目の前のノート型ＰＣには日本語のウェブページが全て記録されている。

「はやふさ9号」では地球との通信タイムラグが数時間を超える。

だから気軽にネットで検索してモノを調べることが出来ない。

その変わりノート型ＰＣのメモリーに地球のネット上の情報が記憶してある。

日本語のウェブページは、ほとんどがメモリーに入っている。

海外のウェブページは主要なものは全てカバーしている。

だから検索してモノを調べるぐらいはストレスなく出来ている。

(天気予報などリアルタイム情報は地球出発日で止まっているが。)

動画は主な映画作品など数万本、メモリーに入っている。

マイチューブなどの動画も、かなりカバーされている。

ピンク色の動画も数万本は入っているだろう。

音楽ファイルは発売されたＣＤは、ほぼ全て。

本や漫画も図書館と同じ量はある。

ゲームソフトも数えきれない。

この小さなノート型ＰＣに、とんでもない量の情報が入っている。

地球帰還まで10年間、俺はやることが無い。

完全自動の有人探査機「はやふさ9号」では人間の仕事がない。

そのため俺は音楽を聴いたり映画鑑賞などで時間を使っている。

出発前はヒマをもてあますかな？と思っていたが。

案外、忙しいものだな。

人間の好奇心には限りが無いということか。

過去の「はやふさプロジェクト」が持ち帰った希少物質は技術を進歩させた。

高性能太陽電池パネル、生命維持装置に使う触媒、フレームの軽量化。

進歩した情報技術は、このノート型ＰＣにも使われている。

メモリー容量は５００エクサバイトだそうだ。