おれはお前なんかになりたくなかった

作者 蔵入ミキサ

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★★★ Excellent!!!

現代の「とりかへばや物語」である。というと大げさかもしれないが、小学6年生のミハルが入れ替わりを願い、出会い頭の衝突という典型的な展開から憧れの同級生フウタと身体を入れ替えてしまう。
もちろんこの構図に私たちは『君の名は』を思い出さないわけにはいかないのだが、あちらほどストレートで爽やかな方向性には行かない。

というのもこの作品では、入れ替わりを願うくらいだからミハルはつらい境遇にあったのであって、実は彼女は、学校で壮絶ないじめを受けていた。
それを中身が入れ替わったフウタが快調に解決していくのかといえば、全くそういうことにはならない。むしろその苦しみをひたすら肩代わりすることになり、そりゃあお前なんかになりたくなかったと言いたくもなる展開。

当然のようにミハルも元の身体には戻りたくないというわけだが、ミハルになったフウタが全く現状を変えられないまま苦しむ様子も含めて、ここには様々な意味でのリアルがある。

まだその物語の結末には達しておらず、どうかなんとかなってほしいと思わずにはいられない。

(寒い冬を暖める? 恋愛系3選/文=村上裕一)

★★★ Excellent!!!

入れ替わった女子が抱える壮絶な秘密に踏み込んでしまったフウタ、
それまでの自分を捨ててまで、かたくなに元の身体に戻る事を拒むミハル。
二人はやがて互いの肉体に引きずられるようにその精神までもが変化していく…

この先も様々な困難が待ち受けているだろう、二人の行く末に注目します。