空が茜色に染まるころ

作者 如月芳美

アンバランスな歯車が噛み合った時、ゆっくりと崩壊が始まる・・・

  • ★★★ Excellent!!!

全て読み終わってから、「ここからが本当のスタートなのかもしれない」と思わせるような、重厚かつ圧倒的な迫力がある作品でした。

LGBT、性的マイノリティの非常にデリケートなテーマに「恐れ」でなく「畏れ」を以って真正面から向かい、そして書き切った作者に敬服の念を抱かずにはいられません。

1話目と2話目、そして最後(最期)の時を迎えるまで、まるで細くて脆い1本の線の上を歩いているかのような緊張感を伴います。

斉木と坂田は、はたして何を手に入れ、何を失ったんでしょうか。

いや、きっと「0(ゼロ)」に戻った、還ったんでしょう。
足す事も引く事も、そして掛ける事もないゼロ。
人の物差し、色眼鏡、差別から解放されるゼロ・・・

ゼロは無であり、全て。

ゼロになる事が、もしかしたら本当に2人が望んだ事なのかもしれない。
ゼロこそが、2人が手に入れた「安息」だったのかもしれない・・・

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