第1426話 次なる通路へ
「君がそう言うって事はつまり、此処にはもう目ぼしい物は残ってないって事だね」
「ええ、元々あったのかどうかも怪しい場所ではあったけど、少なくとも収穫は無い訳では無いわ」
天之御が確認する様に問いかけると星峰は明瞭な声で返答し、それを聞いた他の面々も首を縦に振って頷く。
そしてそれと同時に兵器が部屋の入口付近に集まってくる。
「つっ!!次の部隊が来たって訳か」
モイスがそう言うと同時に兵器は一斉に部屋の中に雪崩込んでくる。
先程部屋の外でモイスに迎撃されたのを学習したのだろうか、それに対して一同は
「敵の数から言って各個に撃破している余裕は無いね、此処は一気に行くよ!!」
という天之御の声と共に放たれた旋風で兵器を吹き飛ばして壁に叩きつける。
其の流れを見たコンスタリオは
「やれやれ……最初から吹き飛ばすなら変な気合を入れる必要は無いでしょうに……」
と少し呆れた口調で話すものの、天之御の力を目の当たりにして何処か安心感を抱いているようにも見える。
「さて、それじゃ星峰が入手したデータを聞いておこうか。
早く出た方が良いのは山々だけど、この状況では確認してから次に進んだ方が良さそうだからね」
天之御がそう問いかけると星峰は
「流石は天之御ね、そこまでの状況を予測するなんて。
そう、私が入手出来たデータはこの建物の構造上の物、つまりこの施設の地図よ」
と天之御の発言に同意する。
「建物の地図って事はつまり、首領の居場所も分かるって事?」
「今もそこに居座っているのかどうかは分からないけど、この施設の司令室が何処に存在しているのかという点については分かるわ」
空狐が星峰に問いかけると星峰は司令室の場所は特定出来たと告げる。
「なら直ぐにそこに……」
「待ってモイス、そこよりも先に攻略しておくべき場所があるでしょう」
「攻略しておくべき場所……ああ、そういえばあったな」
率先して司令室に向かおうとするモイスに対しコンスタリオはそれを諭し、先に向かうべき場所が有るであろうと告げる。
「そして其の場所の位置も分かっている。
そうでしょう、スター?」
「ええ、既に特定しています。
そしてそこを先に攻略するべきという点についても異論はありませんよ」
続けてコンスタリオが星峰に対し言葉を向ける対象を変えると星峰も同意し、且つ何が言いたいのか分かっていると言った風の反応を見せる。
「ならまずはそこに向かうよ!!」
天之御が再び音頭を取ると一同は兵器の残骸を踏み越え、来た道を戻っていく。
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