第1420話 本拠地突入
兵器を一掃したのを確認すると八咫は
「敵の増援が一旦途切れたな、今の内に進撃するべきじゃないか?」
と提案する。
その提案を聞いたコンスタリオは
「そうね、此処が敵の本拠地である以上次の増援が何時出てきても不可思議ではないわ、その事を踏まえると此処で無駄に時間を使うべきでは無い」
と言い、八咫の提案を肯定しつつ他の面々に先に進みながら話す様に促す。
だがこの光景を見た星峰は
「八咫の提案も最もだけど、敵の本拠地で増援が途切れるというのが気になる……何かの策略か、或いは慢心か……それともそれ以外の何かがあるの?」
と内心で考えていた。
そんな星峰の顔をコンスタリオと天之御は密かに見つめていたが、それを口に出す事はしなかった。
魔王陣営、コンスタリオ小隊は敵の増援を途切れさせたままブント本拠地城壁の入り口まで辿り着く。
だがそこでふと先陣を切っていた天之御とコンスタリオが足を止め、それに合わせる形で他の面々も足を止める。
「隊長、いきなり立ち止まって何を?」
シレットがこう質問した所を考えるとどうやら一同は止まった理由がわかっているのではなく、只前が止まったから止まったという状況の様だ。
その問いかけに対しコンスタリオは
「城壁の中に突入する事は出来たけど、やはりそう簡単には進ませてくれないようね」
と意味深な一言を告げ、一同に入り口の奥を見る様に促す。
それは天之御も同様であった。
二人に促されるままに一同が入り口の奥を見渡すとそこには先程交戦した迎撃用とは別の警備用と思われる兵器が徘徊し、更に城壁の内側にも機関銃やレーザーが配備されていた。
「警備も手抜きはしてないって訳か」
「やはり本拠地、そう簡単には行かないという訳ですね」
モイスとシレットが見渡した感想を述べるが天之御は
「確かに二人の言う通りなんだけど、多分警備の本命はそれじゃない」
と含みのある発言をする。
それを聞いたモイスとシレットが一瞬困惑した表情を浮かべるが、その直後に入口付近の床から触手が伸びてくる。
「アレは擬態兵器!?」
「やはり潜んでいたって訳か!!」
シレットが困惑した声を上げると同時に天之御は手から妖術を放ち、迫ってきた触手を破壊する。
「やはり擬態兵器も仕込んでいたか。
まあ、今までの遺跡の技術を全て組み込んでいるのであれば当然といえば当然かも知れねえが」
八咫のこの呟きに対しモイスは
「だとしたら尚更こんな所で立ち止まってる訳には行かねえぜ、もう既に取り囲まれちまってるかもしれねえって事だろ!!」
と冷静ながらも少し焦燥感を感じる言葉遣いを行う。
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