第1415話 群がる邪気

「次の部隊が来たわね、しかも今度は中型兵器も確認出来た」

「恐らくあの中型もこれまで戦ってきた兵器のデータを元に強化されているんだろうな、そう考えるとかなり厄介な相手になるぞ」

「だけど此処で立ち止まる訳には行かない、そうでしょう!!」


目の前に現れた兵器に対し、コンスタリオ小隊は全く怯む様子を見せない。

否、最早怯んだ所で退路など無いという事なのだろう。

それを察知したというわけではないだろうが、中型兵器の取り巻きである小型兵器がまずは接近し攻撃を仕掛けてくる。


「つっ、早々に仕掛けてきたわね……だけど!!」


シレットがそう言うと同時にコンスタリオ小隊は分散して攻撃を躱し、其の上で雷撃を放って反撃に出る。

だが中型兵器を狙った其の攻撃は見事に小型兵器の妨害によって塞がれてしまう。

更にポイントを外された為、小型兵器に対しても致命傷を与えるとまでは行かない。


「つっ、連携もとってくるって訳ね……上等じゃない!!兵器の連携と生命の連携、何方が上なのかはっきりさせようじゃないの」


雷魔術を塞がれたシレットは自分自身を鼓舞する様にそう叫ぶと直様動き出し、じっと立ち止まる事で兵器の的になる事態を防ぐ。

だが其の動きを追跡する中型兵器の行動はどこか不気味にも思えてくる。


「あの中型兵器、さっきから攻撃する素振りを見せていないわね……私達に余裕を見せているのか、それとも何かを待っているのか……」

「いずれにせよそう簡単に行く相手じゃ無さそうだな、それだけに不気味さが漂ってる。

だが余り時間もかけてられねえぜ」


モイスに発破をかけられ、コンスタリオは


「ええ、それもそうね!!」


と言って兵器に対して接近していき得意の格闘術を叩き込む。

それによって小型兵器を数体破壊する事は出来たがそれに阻まれてしまい中型兵器には接近すら出来ない。


「つっ、やはりこいつらは中型兵器を護衛している?だとすると其の目的は……」


中型兵器の意図が見えない動きにコンスタリオの内心は感じている不気味さを増していく。

だが其の直後、それが的中したと言わんばかりに中型兵器の中心部分が開き、そこから極太の光が放たれる。


「つっ、あの攻撃を行う為のチャージ時間をかせぐのが狙いだったの!?」


コンスタリオがそう叫ぶと同時に一同は辛うじてそれを回避するものの、其の光は部屋の壁を溶解させ、そこに大きな風穴を開ける。


「つっ、あんな物が直撃したら……」


警戒心を抱いては居たものの、それが的中してしまった事でコンスタリオは改めて警戒心を強める。

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