第1405話 未知なる空
そして本部に到達するとコンスタリオ小隊は直様司令室へと向かい、中に居た司令に
「司令、先程市街地に魔王軍の刻印が刻まれた兵器が地下から出現しましたが、その事は把握されておりますか?」
「ああ、此方にも既に情報が入ってきている。
勿論刻印が刻まれているとは言うが、その兵器は魔王陣営の物ではない」
「つまり、今回出現している兵器はブントの戦力で有るという事ですね」
と確認の会話を交わし、この兵器がブントが送り込んできたものであるという事を改めて認識する。
「遂にブントが仕掛けてきたって事なのか、それとも単なる前哨戦でしか無いのか……」
「魔王陣営はどうしているのですか?まだ此方にしか兵器が出現していないのであれば早く連絡を入れなければ……」
モイスがブントの行動である事を認識する一方、コンスタリオは焦燥感を含んだ口調で魔王陣営に連絡を入れる事を提案する。
それを聞いて司令も
「ああ、それは分かっている。
だが現状はまずキャベル市街地の被害を抑える事が先決だ、彼等も此方の市街地の状況を無視してまで連絡して欲しいとは思っていないだろうからな」」
と魔王陣営に連絡を入れる重要性は認識しているものの、今はそれよりも市街地に被害を出さない事が先決であると告げる。
司令の言う通り、司令室のモニターには市街地の兵器が増えている事が確認出来る。
それを確認したコンスタリオ小隊も兵器の迎撃に出ようとする。
だがその次の瞬間
「一体何だあれは!?」
と言うキャベル防衛部隊兵士の大声が聞こえてくる。
「今の兵士の声は何!?」
「兵器が出現しているのは把握している筈だ、にも関わらず声を上げたという事は相当な何かが起こった可能性が高い。
兵器の迎撃よりも先にそちらの確認を行ってくれ!!」
シレットが声に反応すると司令官はまず状況の確認を行う様に告げ、それを聞いたコンスタリオ小隊も声が聞こえた方へと走っていく。
声が聞こえてきた方向の城壁へと向かっていくとそこには必要以上に青く光る空が広がっていた。
「あれは一体何?空の色が……それも一部だけが広がっている……」
青くは有るものの、これまでに見たことのない青の色にコンスタリオ小隊も動揺を隠せない様子だ。
「あれは……一体……何が起ころうとしているの?」
シレットが動揺した声を上げるとコンスタリオ、モイスも色が変わった空の部分に視線を集中させる。
そして一行が視線を集中させると同時に空がゆらゆらと視覚的に揺れ始める。
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