第1399話 共有の先にあるもの
「了承しました、それでは」
コンスタリオはこうとだけ返答するとシレット、モイスを連れて司令室を後にする。
しかしそのまま各自が自室に戻る訳では勿論無くシレット、モイスを連れて自室へと戻り今回の作戦で得たデータを検証し始める。
「しかし、まさかブントの本拠地がこんな所に存在していたとはね」
「ああ、全く以て盲点だったな……」
「ええ、でも翌々考えてみれば極自然な流れではあるわね、其の組織の存在を知ってしまえば」
一同の正面に設置されているモニターに表示されたデータを確認しながら口々にこう呟く。
それは何処かの地図、いや、一同の言動から考えるとそれがブントの本拠地を表しているのは明らかであった。
「だけどこれ以上はやらせない、好き勝手に戦乱を起こして私腹を肥やしてきた報いを受けさせてやるわ!!」
コンスタリオが珍しく声を荒げてこう口にする、其の様子にシレットとモイスは少々驚いた顔を見せるものの、其の点について特に追求したりはしない。
恐らくは二人も同じ気持ちなのだろう、其の場に流れる空気がそれを証明していた。
「此方があの施設を陥落させた事はブントも掴んでいるでしょうね、だとすると近々必ず妨害が入る筈です」
「だが其の時こそがブントを殲滅する機会でもある、そうだろ?」
「ええ、それに合わせて魔王陣営も動く可能性が高いわ、そして司令官もね」
コンスタリオ小隊が交わした言葉、それは近々ブントに大きな動きが見られるであろう事、そして其の時こそがブントとの決戦の時になるであろう事が予測出来る内容であった。
「それに備えて此処に記録されている兵器のデータを徹底的に検証しておく必要がありますね」
「ええ、今からそれを行うわよ!!」
コンスタリオがそう告げると一同は画面に視線を向け、徹底的に兵器のデータを調べ始める。
一方、ブエルスの謁見の間に戻った魔王陣営も又今回の一件についての再確認を行っていた。
だが今日は何時もとは様子が違う、星峰と天之御によるデータの解析が何時もの自室ではなく謁見の間において行われていたのだ。
其の様子は他の面々も直ぐに目にする事が出来る状態であり、それ故に其の場で確認を行っているというのは明らかである。
「ブントの本拠地がこんな所に存在していたとは、いえ、もう少し考えが及んでいれば気付かない話ではありませんが……」
「そう考えれば合点がいくね、開戦当初の状況も」
どうやら魔王陣営も又ブントの本拠地を確認しているようだ。
画面を見ている空狐と涙名の会話がそれを表していた。
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