第1397話 作戦終了、そして

コンスタリオ小隊が納得した表情を見せたのを確認すると天之御は彼女達に転移妖術を使い、施設の入口へと転移させる。

それと時を同じくして星峰も溜めていた妖力を使い、自分達を何時もの場所、つまりブエルスの謁見の間へと移動させる。


「本当に入り口まで送ってくれたのね」

「何?魔王が変な所に私達を飛ばすと思ったんですか?」

「いえ、そういう訳ではないのだけど、妖術で私達がきちんと転移できるのか……ね」


転移妖術が終わった後コンスタリオ小隊は周囲を見渡し、そこが施設の入り口で有る事を確認する。

そしてそれが終わるとコンスタリオがふと呟き、シレットがそれに反応を示すとコンスタリオは妖術をその身で受ける事について不安を抱いていた事を吐露する。


「まあ、俺達が今まで妖術を受けた時っていうのは基本攻撃を受けた時だからな、意識しちまうのもある程度無理姉とは思う」


コンスタリオが内心に抱いている不安に対しモイスはそれを肯定する発言をする。

だがそれに続けて


「だけどそれももうすぐ終わりだ、この戦乱の裏で引っ掻き回してくれてる連中を倒せばもう妖術を喰らう事もねえんだからな」


と発言するとシレットも


「全く以てその通りだと思います、これ以上戦う必要が無いのであればもう攻撃を受ける事もありませんから」


とモイスの言葉に希望を持って続ける。

その言葉から感じられる活力が希望を持っており、それがコンスタリオにも伝わったのか少し強張っている様にも見えた表情が穏やかで柔らかな物となる。


「そうね、私達を送り出してくれた魔王の為にも、データを託してくれた星峰の為にも私達がここで立ち止まっている訳には行かない!!」


コンスタリオはこう語気を強めて発言すると同時にその足を遺跡の外へと向け、止めてあった飛空艇へと急ぐ。

そしてそれに乗り込み、急ぎキャベルへと帰還すると一行は直様司令官の元へと向かう。


「司令官、コンスタリオ小隊只今帰投致しました」

「ああ、話は魔王陣営から聞いている。

今回の協力任務の成功、私からも例を言わせてくれ」


司令室に向かい、司令と対面したコンスタリオが帰投の言葉を述べると司令官が既に魔王陣営から話を聴いている事、そして任務の成功についての返答を受けてその顔が少しだが緩やかになる。


「と言う事はつまり、既に魔王陣営から施設の事やアンナースの事はお聞きになっているのですか?」

「ああ、彼女の事については私も共同でケアに当たる、無論その責任は取る」


シレットがふとアンナースについての話を振ると司令は既にアンナースの事については承知していると告げる。

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