第1377話 扉との激闘
「えっ!?」
コンスタリオが叫んだ意味が分からなかったのか、シレットは一瞬困惑した表情を浮かべる。
だがその直後、シレットの目の前にある扉の取っ手が触手のような形へと変化し、そのままシレットの方に伸びてきてその体を叩き飛ばそうとする。
「!!つっ……」
ギリギリのタイミングでシレットは辛うじてそれに気付き、手を翳して更に魔術でその手を覆う事で触手のダメージを軽減するが、それでも相当な衝撃を受けて体が後ずさってしまう。
「扉の取っ手が触手に……と言う事はつまり、この扉は!!」
シレットがそう叫ぶとそれに続けてコンスタリオも
「ええ、擬態兵器と考えてまず間違いないわ!!そうでなければこんな事が起こる筈が無いもの」
と言葉を続け、擬態兵器に対して迎撃体制を整える。
「来るぞ!!警戒を怠るなよ」
モイスがそう叫ぶと同時に扉に擬態している兵器はその姿のまま扉全体から触手を伸ばしてくる。
それに対し銃を構えたモイスが触手に銃弾を打ち込んで破壊していくが、その数が多すぎて全てを破壊する事が出来ない。
その為何本かの触手は一同に接近し、その体を叩いてくる。
その打撃は軌道が読めているが故に致命的にこそならないものの、それでも確実に一同にダメージを重ねてくる。
「くっ、これでは近付けない……擬態している間に接近しておくべきだったかも知れないわね」
「かも知れませんが、今その事を話しても仕方無いでしょう……それよりも今はあの兵器を何とかする事を最優先に考えないと」
「だがどうする?あの職種の数じゃあ幾ら破壊しても切りがねえぞ。
それに破壊しても直ぐに再生してきやがる」
「つまりは再生能力持ちって事ね……だとすると何処かにそれを制御する装置がある筈だけど、それを捜索するのは並大抵の事ではないわね」
扉に擬態している兵器の手強さにコンスタリオ小隊もこれまでに無い程舌を巻く、だが今の話を聞いたモイスが
「なら貫通弾でその部分を撃ち抜く事が出来れば勝機はあるって事か!!」
と大声で叫ぶとコンスタリオは
「それはそうだけど、それが何処にあるか分からなければ対処のしようが無いわ」
とモイスの提案に水を差すような発言をする。
だがコンスタリオがそう発言するのも無理は無かった、今までの流れからそれを予測出来る要素は見当たらなかったのだ。
だがモイスは
「確かに現時点ではな、だが次の攻撃でもしかしたら……」
と次の攻撃の時が勝負であるかの様な事を仄めかす。
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