第1372話 破壊の先にあるもの

そのまま破損したガラスに対し、念の為なのか飛び蹴りの体制を取りながら突撃していく。

そしてそれが終わるとそのまま生産プラント内に着地し、シレットとモイスが後を付いてきた事を確認して先へと向かっていく。

その道中、当然の事だがコンスタリオ小隊は途中にある生産プラントの機器を攻撃、破壊していく。

だがその中には青制御の機器もあり、それらについてはやはり破壊出来ない。


「つっ、所々に青制御の機器が混じっている、これは一体何なの?何故全て統一していないの?」

「確かに、プラントの破損を防ぐ為であれば全ての機器を青制御にしなければ意味が無い、それをしていないという事は何らかの意図があっての事なのでしょうか?」

「もし何も考えてねえんだったら単に予算でも不足してたのか後先考えずに設計したのか、何か考えがあるんだったら所々を破壊出来る様にする事で油断を誘っているって所なんだろうが、どうもそれだけじゃ無さそうな気がするぜ」


プラント内部で不自然に統一性が無い構造になっている部分がある事にコンスタリオ小隊は疑念とそれに対する一応の回答を導き出す。

だがそれも疑念を完全に晴らすには程遠い内容であった。

だがコンスタリオ小隊が各部分を破損させていく事で少なからず兵器の生産が滞っているのは確認出来る、しかし兵器の生産を完全に止める事は出来ず少なからず兵器が目の前で増産されている。

目前で兵器の数が増えているという現状にコンスタリオ小隊は焦燥感を抱くものの、だからといって直ぐにどうにか出来る訳でもなく一同は只先を急ぐ事しか出来ない。

しかもその先も


「隊長、このプラントの出口は一体何処に繋がっているのですか?」

「悪いのだけどそれは分からないわ、それを調べている余裕も無かったから、だけどあの数の兵器、しかも青制御の兵器が混ざっている中を突破するのは無謀過ぎる。

今の私達に出来る事はこの先に足を進める事だけよ」


と告げるシレットとコンスタリオの言葉から分かる通りその先に何があるかがわかって居る訳ではない、そうしなければ自分達の道を切り開く事が出来ないかこそ足を動かしているに過ぎないのである。

しかし、此処で足を止め、作戦を諦める訳にはいかない、コンスタリオ小隊を支えるのはその気持ちだった。


「まずは出口を探さないと……兵器の生産ラインも複数確認出来ていますね」

「可能な限りは破壊していくわよ、これから先の事も考えてね」


コンスタリオの言葉を受け、モイスとシレットもプラントを破壊していく。

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