第1324話 転写する不安
「狐妖剣術、漆黒の斬破!!」
剣を振り翳した星峰はそう叫ぶと剣から上に向かって衝撃波を次々と放ち、その衝撃波に触れた兵器を切断していく。
すると星峰によって切断された兵器の残骸が崩れ落ち、一同の上に降り掛かってくるが星峰は放っていた衝撃波をドーム状に顕現させ、身の回りに黒い膜として落下する残骸から自分達の身を守る。
全ての残骸の落下を確認した後、一同はやはりその制御装置にも青制御と赤制御がある事を確認する。
「可変機構を備えた中型兵器……しかも空爆も想定している、もし中型だけでなく小型や大型の可変機構を備えた兵器も生産されていたらとんでもなく厄介な事になるかもしれないわね」
「うん、兵器にそこまでの融通があるかどうかは分からないけど地上から攻められれば空中へ、空中から攻められれば入り組んだ地形を味方に付けた形で地上に逃れられたら迎撃は困難になる。
それを状況によって使い分けられるというのは決して軽くない驚異だよ」
兵器の破壊には成功したものの、可変機構という今までにない機構を備えていたと言う事で星峰と天之御の言葉には警戒心が少なからず混ざる。
当然、その警戒心は他の面々も共有しており、その表情は少なからず不安を覗かせる。
「だとしたら尚の事ここで立ち止まっている訳には行かないわね、先に進んでこの先に何があるのかを確かめましょう」
空狐がそう告げると一同は首を縦に振って頷き、そのままその足を先へと進め始める。
その先に足を進めていくと今度は多数の小型兵器が出現する。
「つっ、今度は小型兵器か!!なら先手を取る」
八咫はそう言うと再び黒羽を飛ばして小型兵器を攻撃するがこの小型兵器も又可変機構を備えており、空に飛び上がって攻撃を躱そうとする。
だが八咫は
「やはり小型兵器も可変機構を備えていやがったか、だけど同じ手が通じると思うなよ!!」
と言うと兵器の下をくぐり抜けてしまったかに見えた黒羽の軌道を上へと変更し、飛行した兵器の下から突き刺していく。
思わぬ攻撃に虚を突かれたのか、兵器はそのまま八咫の黒羽を受けて赤制御と思われる兵器を除きその場で爆散する。
「つっ、半数近くは八咫が仕留めてくれたけどそれでもまだ数は残っているね。
だったら次は僕が!!」
涙名はこう言うと壁に手を当て
「闇暗殺術……爪牙の剣山!!」
と言うと壁の一部を黒く染め上げ、そこから幾つもの巨大な爪を出現させて多数の兵器を貫いて爆散させる。
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