第1312話 大所帯ゆえの疑念
「これだけの数の兵器が本当に一体何処から……施設の生産ラインと直結でもしているのでしょうか?」
「そうだとしたらコンスタリオ小隊がその事を伝えてくれていると思うけど……或いは彼等も知らないプラントからコレが行われているのかも」
「何れにしても今その事を話していても仕方ないわ、今は個々にいる兵器を殲滅し、この居住区エリアを防衛しつつ遺跡エリアへの侵攻を阻止しなければ!!」
岬、涙名、空狐が兵器の数についての疑問を提示しつつもそうしている間にも兵器は一同に迫りつつある。
迫ってくる兵器と戦いつつも一同の顔には徐々に疲労や焦燥感が表れ始め、このままではジリ貧になるのは目に見えていた。
「くっ、このままでは……せめて先に進む道だけでも確保出来れば……」
涙名が思わずこう零すと星峰は
「狐妖術、刹那の閃光!!」
と言って右手から光の球を翳し、そこから無数の光を放って兵器を覆い隠していく。
「星峰?それは……」
空狐が少し驚いた顔を見せるのと同時に一同の周囲に集まっていた兵器が光に包まれ、まるで砂と化したかの様に消滅していく。
「天之御に対する行動パターンから兵器が学習してくる可能性があった以上、温存しておきたかったのだけどね、こうなった以上出し惜しみはしていられない」
星峰がこう返答すると一同はこのタイミングで今の妖術を使った事に納得したような表情を浮かべる……様に思えたが只一人空狐だけはまだ疑問の表情を浮かべていた。
「一体どうしたの空狐?まだ何か気になる事があるの?」
「今の妖術、私も全く知らなかった物だわ、何時の間にそんな妖術を……」
天之御が空狐に対し疑問を提示すると空狐は今星峰が使った妖術が自分も全く知らない妖術であった事を告げる。
「何時の間に……と聞かれても困るわ、私自身も知らない間に使える様になっていた、そうとしか答えられないのよ」
空狐の疑問に対し、星峰はこう明確に返答し空狐も
「そうなの……まあ、今はその事をじっくりお話している時間は無いわね!!」
といい、消滅した兵器に続く次の部隊が接近してくる前に居住区の市街地へと下っていく。
しかし、兵器が通り過ぎた後にしては市街地に破壊された、攻撃された形跡は見られ無い。
「市街地に攻撃後が見られませんね、兵器があれだけの兵器が通り過ぎていたというのに道路の上に兵器が通った痕跡があるだけ……
あれだけの大所帯がお行儀良く道路を通過していたなんてありうるんだろうか?」
あまりにも行儀が良すぎる侵攻に涙名が市松の疑問を抱く。
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