第1222話 今、出来る事を
「パスワード……でも今までの場所でパスワードが入手できそうな場所はありませんでしたね、もしかすると見落としているのかも知れませんが」
「ああ、それにデータルームや職員の資質のような場所も無かった、だとするとそれがある可能性があるのは……」
「もしかすると魔王陣営、スター達が向かった方にあるのかも知れないわね。通信機位はお互いに確保しておくべきだったわ、迂闊だった」
コンスタリオ小隊はパスワードが必要である事から今までの場所で何処かパスワードがありそうな場所がないかどうかを考えると同時に魔王陣営との通信手段を用意して置かなかった事に対し悔恨を覚える。
そう、彼等は魔王陣営との通信手段を持っていなかったのだ、通信機は互いに周波数が合わず、家と言ってコンスタリオ小隊の中には遠隔への連絡魔法を使えるメンバーがいない、否、正確には以前は存在していたのだが。
「この所遠距離に魔法で通信を送る何て事は無かったからすっかり忘れていたわね……私達の中でそれが可能なのはスターしかいなかったということに」
「ああ……スターが離れてから結構な期間が経っている筈なのに未だにそんな事にも気付かない位になっていたんだな、俺達は」
「姿は違えどスターと再会出来た事もそれに拍車を掛けていたのかも」
悔恨を抱きつつ、スターに対しての思いを吐露していると目の前のプラントの出口部分が見え、其処から生産された兵器が何処かに向かっていくのが見える。
「パスワードは分からないけど、かといってじっとしている訳には行かないわね、プラントの制御装置に侵入出来ないか調べてみましょう!!」
「ええ、反対側に向かっているスター達の為にもここで私達がじっとしている訳には行かない!!」
コンスタリオとシレットがそう叫ぶと機器を操作し、プラントの制御装置に侵入出来ないかという事を試みる。
だがそう簡単に制御装置に潜入出来る訳は無く直ぐにそれは暗礁に乗り上げてしまう。
「くっ、流石にそうそう侵入出来るものではないわね……だけどかと言ってじっとしている訳にも行かない、ここは……」
コンスタリオが尚も侵入を試みようとしたその時、突然コンスタリオ小隊の目の前に赤く光る紋章が出現する。
「突然紋章が出現した!?これは一体……」
「二人共あの紋章を良く見てみろ!!ありゃあ……」
其の紋章を見たモイスはシレットとコンスタリオに其の紋章を直視するように伝え、其の言葉を聞いたコンスタリオとシレットは其の紋章を直視する。
するとその表情が直ちに驚きを満ちた顔に変わる。
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