第1189話 その心は繋がる
其処に
「貴方は……こんな所で一体何を?」
と言う声と共に一人の兵士が現れる。
其の口振りからどうやらコンスタリオの事は知っている様だ。
それを察したのか、コンスタリオも
「ええ、少し気になる事があるからそれを調べに来ていたの」
と返答する、其の返答に対し兵士が
「それはやはり、先日の兵器襲撃に関する事なのでしょうか?」
と尋ねて来るとコンスタリオは
「ええ、この辺りは特に被害が激しい様ね、やはり出現地点に近いと言うのが理由で?」
と返答と同時に質問を返す。
すると其の兵士は
「ええ、確証はありませんがそうではないかと考えられています。
故にこの地域は現状封鎖されているのですから。
建物内にも誰も居ない筈ですよ、住民に対しても避難勧告が出されていますからね」
と回答する。
「避難勧告?既に襲撃は終わっているのに穏やかじゃないわね」
コンスタリオが少し冗談交じりに話すと兵士は
「次の兵器が出てこないとも限りませんからね、それに遺跡の近くに住民が居ると調査もやり辛いと殿下はお考えなのでしょう。
あの遺跡が災いを齎す物であるのならこのまま蓋をしておきたいでしょうからね」
と回答する。
「そうね、万が一にも次の襲撃を受ければ生命が血祭りに上げられかねないものね」
そう答えてコンスタリオは其の場から立ち去ろうとする、だが暫く歩を進めると
「……貴方、魔王陣営の兵士なの?」
と唐突に其の兵士に問いかける。
すると其の兵士は
「……やはりお気付きになられましたか」
と返答し、自分が魔王陣営の兵士である事を認める発言をする。
するとコンスタリオは
「と言うよりさっきの発言の中にあったのよね、貴方が魔王陣営である事を示す言葉が、そしてそれを教えてくれたのは他ならぬ其の魔王本人なのよ」
と返答する。
「コンスタリオ小隊が魔王陣営と繋がりを持ってくれたとは聞いていましたが、まさか殿下から直接其の見分け方まで聞かされていたとは、それ程の深い仲にもうなっているとは流石に思いませんでしたよ。
これは殿下にももう少し情報伝達を迅速に行なって欲しいと一度申し出る必要がありそうですね」
「そうね、まあ、敵対陣営の勢力下にあるタウンである以上、連絡が遅れてしまうのもある程度は仕方ない部分もあるのかも知れないけど」
兵士とコンスタリオが魔王陣営についての不満を少々口に出した後、其の話はこの地域についての話題に移っていく。
「しかし、このエリアが封鎖されているというのはどういう事なの?魔王が単に遺跡があるという理由だけでそれをするとは思えないのだけど」
と唐突にコンスタリオは口にする。
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