第1177話 怨霊を断つ剣

そのまま星峰は壁に向かって接近していき


「狐妖剣術……白き断絶!!」


と言いながら剣を抜いてその刃を白く染め上げ、その状態で兵器に向かっている黒色に対し剣を振り下ろす。


「黒色に剣を振り下ろした?だがそれだけでは……」

「否、良く見て!!あの白い剣で切られた部分を!!」


八咫が少し困惑した声を上げるが、其の直後に空狐が叫び、兵器に目を向ける様に告げる。

するとその先にある黒色が消滅していき、通常の兵器と同様の状態となる。


「黒色が消滅している?一体何を……」


何が起こったのかが分からず困惑する八咫。

岬や豊雲も同様の困惑した表情を浮かべるが涙名が


「そうか!!兵器が吸収している怨霊を攻撃して吸収させない様にしたのか!!」


と告げると天之御と空狐も


「瞬間的に怨霊を浄化しているのか!!そんな能力を何時の間に……」

「少なくとも私単体では使えない能力です。

これも人族と魔神族が交わったがゆえの能力なのでしょうか?」


と疑問を口にする。

そんな面々に対し星峰は


「疑問に思うのも分からなくはないけど、今は兵器との交戦に集中して!!」


と檄を飛ばし、それを聞いた天之御が


「ああ、そうだね!!

肝心要の任務を忘れるわけにはいかないんだ」


と返答すると交戦体制を取る。


「怨霊は私が断ち切るわ!!皆は兵器の破壊に集中して!!」


星峰がそう叫ぶと天之御は


「分かった、但し星峰、君自身がやられてしまわないようにね。

そんな事になったら……」


と星峰を案ずる発言をし、それを聞いた星峰は


「大丈夫よ、皆と一緒ならやられたりしない!!心配してくれるのは嬉しいけどね」


と返答しつつ天之御の方を振り返り、其の顔に和やかな笑みを浮かべる。


「狐妖術……赤色の演舞!!」


空狐はそう言うと両手から次々と赤い玉を出現させ、その赤い玉を次々と兵器に当てて破壊していき、其の場に倒れ込ませていく。

それらに対して黒色が接近していくと星峰が白色に染めた剣で次々と切っていき、再生を阻止していく。

星峰の能力により突破口を見出す事が出来た一同は其の勢いのまま次々と兵器を破壊し、其の場に瓦礫の山を積み重ねていく。

だが其処に秘密基地からの通信が入ってくる。


「秘密基地から通信!?何かあったのか?」


天之御が通信に対応すると秘密基地司令室から司令官らしき生命の声が聞こえ


「殿下!!そちらの方に大型の兵器が多数接近しています、恐らくは今回の部隊の大詰めと考えられます。」


と天之御達に伝える。

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