第1152話 兵器の魔手

「……以上が私達が知った事の全て、この戦乱の真相よ」

「そんな……そんな事が……」


全てを話し終えた星峰が改まってそう告げるとコンスタリオは戸惑いを隠せない、それはコンスタリオだけではなくシレットやモイス、更には魔神族に以前から協力していた司令も聞いていなかったのか呆然と立ち尽くしていた。


「殿下……その様な事がお有りだったとは……しかし、そうなると戦乱を集結させるには……」

「君達にはいずれ話すつもりでいたよ、いや、そうでなければならない。

僕達が辿り着いた戦乱の真相がこの通りだとしたら君達の協力無しでは戦乱を終わらせる事は出来ない。

だから僕は君達に協力を要請したんだ、何れ来る時の為に」


司令が天之御に対しそう問いかけたことも又その事を裏付ける証拠となった。


「俄には信じがたい話だ……いや、星峰の言う通り今でも少々信じられない部分がある、だがこの状況ではそうも言ってられないか」


モイスのその返答も又動揺がある事を物語っている。


「つまり……最終決戦の日もそう遠くないって事ね、この戦乱が終わるか否かも其処で決まる。

此処から先の戦乱に敗北は許されない」


シレットのその声も又深刻なものになっており、それが星峰の話の重さを物語っているとも言える。


「ええ、その時には……」


星峰がそう言いかけた直後、ブエルス、キャベル双方の警報装置が鳴り始める。


「!?一体何が起こったの!?」

「両方同時になんて……只事じゃないわよこれ!!」


シレットと岬が同時にこう告げた後、更にシンクロニシティなのか、両方に同時に通信が入ってくる。


「どうしたの!?何があった!!」


司令と天之御が同時に通信に応対してそう答えると通信先から


「司令、殿下、東大陸と西大陸の複数の人族エリアの街に地下からいきなり兵器が出現し交戦状態になっています、それも今まで見た事の無い兵器です!!」


という声が同時に聞こえてくる。

どうやら同じ街、同じ場所から通信が繋がっている様だ、だが今重要な問題点は其処ではない、出現した兵器の詳細の方であるという事はその場にいる全員が共有していた事実である。


「今まで見たことのない兵器!?まさか……その兵器の画像は送ってこられる!?」


天之御がそう告げると兵士は


「はい、今送ります!!」


と言ってその画像を送ってくる。

そしてその画像を見て一同の表情が今までより一段と険しい物になる。

それも其の筈で其の兵器とは一同が先程まで議題にしていた兵器だったからだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る