第1148話 東大陸の終わりへ
だが兵器もその狙いに気付いたのかその進路上に戦力を集中させてくる。
その動きは明らかに八咫と岬の進路を塞ぐ為の物であった。
「ちっ、俺達の狙いに勘付いたのか!?兵器の動きが急に変わってきたぞ」
「やはりこの兵器達も学習する柔軟性を持ち合わせているという事なの?」
そしてその動きは先程までと比べても明らかに洗練されており、今この場において進化したかの様な動きである。
更にその動きは負傷していなかった兵士も続々と負傷させていき、後退する鋤すら与えない程にその攻撃は激しさを増していく。
それでもその攻撃を潜り抜け、何とか兵器が出現している場所に到着すると八咫は
「黒羽の旋風……乱舞!!」
と言って両方の羽を次々と飛ばし、それを回転させて巨大な竜巻の様な風を巻き起こしてそれを穴の中に入れる。
その風は瞬く間に穴の周囲を破壊し、穴を破壊した瓦礫で塞ぐ。
それを確認すると八咫と岬は近くの兵器を攻撃しようとするが穴の上を埋め尽くした瓦礫が尚もガタガタと音を立てる。
「つっ、穴を塞いでももっと戦力が集まってきて穴を開通されたら元の木阿弥だぜ、どうする……」
「ここはこうするしか無いわね……封印の呪印!!」
八咫の懸念に岬はそう叫ぶと穴の周囲に格闘術の舞でその周辺に呪印を作り出し、穴の上に呪印を貼り付けて穴を塞ぐ。
するとその穴の周辺からピタリと音が止み、全く聞こえなくなる。
「岬?一体何をしたんだ?」
「後で説明するわ、今は取り敢えずこの場を切り抜けることに専念して!!」
何が起こったのか全く分からない様子の八咫に対し、その場を切り抜ける事に専念するように呼びかける岬、それに対して八咫は少し動揺した顔を見せつつも何処か納得した表情も浮かべる。
それを確認した岬は兵器の方へと視線を戻し
「さあ、行きましょう!!兵士達も後少し踏ん張れる!?」
岬が飛ばした激とも心配とも取れる言葉に兵士達は立ち上がり、兵器達と戦い始める。
それを確認した岬は
「殲滅の舞……天嵐の終焉!!」
そう叫び、両手両足に力を込めて兵器に飛びかかっていき、兵器の中心部分を貫いて破壊していく。
そのスピードは通常時の比ではなく、かなり長い期間行動を共にしている八咫ですら今まで見たことが無い速さであった。
「あの速さ……あれが岬の本当の実力なのか……」
岬の力に呆気にとられたような表情を見せつつも八咫も
「黒羽の暴風……吹きすさべ!!」
というと先程の穴よりも更に巨大な竜巻を出現させ、周囲に居た兵器をまとめて巻き上げていく。
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