第1086話 悪夢とも言える共演
「確かにその通りではありますが……具体的には何処を調べていくんですか?」
「前回、前々回、つまりアンナース、貴方が向かった方向とは違う方向を調べるわ。
そちらには何があるかまだ分かっていないから。
勿論、何も無いと言うのが一番ではあるのだけど……」
コンスタリオがそう呟くとアンナースはどことなく複雑な表情を見せる。
それは一瞬の事ではあったがコンスタリオ小隊の面々はそれを見逃さなかった。
それを悟らせまいとしているのか直後に
「確かにそうではありますね……一体この先に何があるのか……」
と何処か上の空と言った雰囲気で返答する。
その様子は何かを誤魔化そうとしている様にも一同の発言から目を逸している様にも、将又何があるか自分自身も分からないと言っている様にも見える。
「まあ、ここで話ばかりしていても仕方ないし、言ってみる方が良いんじゃない?」
シレットの発言もあり、一同は足を通路の中へと進め始める。
そのままコンスタリオ小隊は何処かへと止まること無く向かっていき、アンナースはその後を付いていく。
「この雰囲気は何なんだ……この前の兵器とは違うが、ここも何か嫌な雰囲気が漂ってるぜ……」
一同が通路を進んで暫くした頃にモイスがこう口にする。
「確かにそうね……何処か重く冷たく暗い空気……こう湿気の様に体に纏わり付く思念のような物を感じるわ」
コンスタリオもそれに同意し
「ええ……ですが何故、この様な思念を感じるのでしょう?」
アンナースもこう当然とも言える疑問を口にする。
それに対しコンスタリオは
「この奥に先史遺産の技術が存在しているからかも知れないわね。
以前調査した先史遺産の中に存在していたのよ、こうした暗い思念を戦力に転用する技術がね。
もしかしたらこの先に眠っているのはその技術の大本なのかも知れない」
と返答する。
「そうだとしたらこの先にある物は相当に根深い問題がありそうですね。
これだけの思念が纏わり付いてくるのであれば相当に悪どい何かがあるのは略確定事項でしょうから」
そう語るシレットの言葉にも一同は納得する以外の選択肢はなかった。
「それを証明する証人も、どうやら出てきてくれたみたいだぜ!!」
モイスがそう告げると同時に一同の目の前から武装した生命が出現する。
その生命は人族と魔神族が混在しており、傍目にはある意味では理想的にも見える光景であった。
その身が武装をしていなければ。
「人族と魔神族が揃って歩いている……か、それだけであれば不可思議なことではないかも知れないけど、どう考えても歓迎してもらえる雰囲気じゃないわね」
コンスタリオがそう告げると同時に生命は交戦体勢を取ってくる。
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