第1060話 コンスタリオの真意

「戦乱を止める……ならやはり貴方はこの戦乱を引き起こしているのでは無いのですね」


シレットが直球とも言える言葉を天之御に発する。

通常であれば敵の逆鱗に触れても可笑しくない様な発言だ、だが天之御はそれに対して怒りを見せるような事は無く寧ろ


「やはり君達にもそう思われているんだね、まあ、仕方のない部分もあると言えばあるんだけど」


と逆に納得した様な表情を浮かべる。

その表情は一言では言い表す事が到底出来ない複雑さが感じられた、それは常に傍にいる空狐達だけでなく、コンスタリオ小隊の面々にも明らかに伝わる。

いや、コンスタリオ小隊は疎かアンナースにすらそれは把握出来るレベルであった。


「ええ、そう思っているわ……いえ、正確に言えば貴方と会うまではそうだと思っていた。

けど今は違う、スターだってそう思ったからこそ私達に情報を送ってきてくれているのでしょう」


コンスタリオはこう返答する。


「スターというのはスター・ボレードの事ね、この体の本来の主である存在。

彼が貴方達に情報を送っていると言うのは?」


空狐がこう話すとコンスタリオは


「此処から先は部隊機密、まだ信用しきっているという訳では無いのだから其の辺りの線引はさせてもらうわ」


と告げ、それを聞いた空狐は


「そうね……まだ仕方のない話ではあるわね」


と食い下がる。

だが其の食い下がり方にコンスタリオは


「この食い下がり方……やはり彼等は……」


と逆に疑念を強めるのであった。


「井戸端会議はこの辺にしてそろそろ向かいましょう、早くしないと兵器の背後に居る存在の目的が達成されてしまうかも知れません」


星峰がそう促すと一同は足を動かし、司令部の中へと入っていく。

だが其の道中で岬が


「ねえ、さっきの隊長さんの言葉……」

「ああ、明らかに此方に対する牽制であり、揺さぶりをかける狙いが合ったと考えてまず間違いないと思うぜ。

でなきゃスターの名前をあそこで出すとは思えねえ」

「果たしてこれが今後にどう出てくるか……悪い方向に持って行かせない為には星峰に上手く立ち回ってもらうしか無いわね……」


と先程のコンスタリオの行動に対する疑念を口にする。

一方シレットも又


「隊長、さっきの会話でスターの名前を出したのって……」


とコンスタリオに問いかけていた。

それに対しコンスタリオは


「シレット、モイス、貴方達なら想像出来るんじゃない?」


と返答し、其の返答に対してモイスとシレットも


「ええ、大体の見当は付いていますよ」


と告げる。

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