第966話 猿芝居の乱入者
そしてモニターを操作し、警報が何に対して発令されたのかを調べ始める。
するとエアロタウンの外部から魔神族部隊が接近している事が判明する。
「これは……魔神族部隊!?それも飛行能力を備えた種族や兵器がかなりの数で接近しているわ」
モニターを見ていたコンスタリオはそう告げる、その声は驚いている様に聞こえるものの、表情は何処か冷静さを感じさせるものであった。
まるでこの状況を予測していたかのように。
「という事はつまり、その部隊は単なるお散歩に来たというわけではないのでしょうね。
目的は恐らくこのタウン……いえ、この施設の制圧でしょう」
シレットがそう口にし、モイスも頷くが、それに対するコンスタリオの反応は首を一振りしただけであった、まるで皆まで言うなと言った感じである。
恐らくシレットとモイスの反応を待つまでもなく、コンスタリオ自身それ以外の可能性は考えられなかったのだろう。
その部隊は徐々に接近を見せ、エアロタウンからも迎撃部隊が出撃する。
「エアロタウンから迎撃部隊が向かっているという事はつまり、あの魔神族は魔王側の部隊ということなのでしょうか?」
「其の可能性も無くはないけど、この施設の制圧もしくは破壊を目的としているのであれば魔王の性格から考えて自らが前線に出てくる可能性の方が高いわ。
それに仮に別働隊が居たとしても陽動部隊に幹部が編成されている可能性も高い、にも関わらず眼の前の部隊にそれが見られないという事は……」
「裏側組織の部隊の可能性の方が遥かに高いって事か……だとすると出撃した部隊ももしかすると……」
シレットとコンスタリオの会話にモイスが言葉を繋げるものの、其の言葉は途中で明らかに言い淀んだ話し方になる。
曖昧ではあるのだが、直前までの声のトーンは明らかに核心を持っているとしか思えない声であったのだ。
それを聞いてコンスタリオは
「私に気を使う必要はないわ、モイスの言う通り、このタウンから迎撃に向かった部隊も裏側組織側である可能性は十二分に考えられる、そしてもしそれが的中しているとしたら……」
「適当に戦っている振りだけしてこの施設を制圧、後は外部に重要な証拠を流出させない為に爆破するなんて事を考えているのでしょうね」
「ええ、だけどみすみすそれをやらせる気はないわ、せっかく此処には防衛兵器があるのだもの、その本分を果たして貰いましょう!!」
とシレットと会話を続けるが、最後にはこれまでに聞いた事が無い程の強い語気でこう発言する。
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