第962話 呪いを生み出す場所
だが、昨日データベースでは襲ってきた兵器が防衛システムが作動していたとはいえ寝込みを襲ってこなかったという事実はモイスやシレットの内心に少なからず疑念を抱かせる。
幾らコンスタリオの自宅だからとはいえ、余りにも不用心、無形買いすぎるのではないかと思わずにはいられなかった。
それ故にこの事実は二人に飛躍した考えを抱かせる。
「この調査も又、裏側勢力の策略でしか無いのではないか」
と。
二人が内心に疑念を抱いている事を感づいているのか居ないのかは分からないが、コンスタリオは何一つしゃべること無く昨日のデータベースへと戻っていく。
其の様子にやはりシレットとモイスは何処か不安を感じずにはいられない。
自身の血族のことであるという事情はあるものの、何処か焦りを感じている、あるいは気負いすぎている様にも見えるからだ。
内心でそうした不安を抱えつつもコンスタリオ小隊は昨日のデータベースへと戻り、再び機器の操作を開始する。
昨日調べた事を振り返りつつ、更にそれについて追求していく為に一同は兵器のデータベースを昨日に続き調べ始める。
「このデータベースに記録されているのは兵器の性能だけじゃない、それが何処で生産される予定だったのかも記載されているわね……昨日はそこまで調べていなかったけど」
コンスタリオがそう呟き、それに反応したシレットとモイスが画面を覗き込むとそこには生産施設が存在していると思わしき地図上の記号が映し出されていた。
それを見たシレットが
「待って下さい、この記号のある場所って……」
と口にするとコンスタリオは
「ええ、スターが私達に提供してくれた例のデータと完全に一致しているわ。
つまり、スターが入手したデータに記載されている施設は兵器の生産機能が存在しており、そこで少なからず兵器が生産されていた。
この戦乱で用いられた兵器もそこで生産されたのか、或いは予定だったのかは分からないけどね」
と返答する。其の言葉通り、スターがコンスタリオ小隊に託したデータの記号とコンスタリオの手元のモニターに写っている記号は僅かなズレもなく一致していた。
「本格的な量産体制に入る前にってことか……でもよ、そうだとしたら其の戦乱で用いられた兵器ってのは一体どこで生産されたんだ?」
「確かに其の点も気にはなるわね……スターが入手した場所以外の生産箇所があるのかもしれない……或いは、此処で生み出されたか……」
モイスが告げた疑問はコンスタリオに更に飛躍した仮説を抱かせる。
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