第855話 災禍の見本市
そして一同は天之御を筆頭に先へと進んでいく、その途中何度か兵器と交戦するものの、何れの兵器も今の一同を止める程の戦闘能力は持っていなかった。
だがその性能は今まで戦ってきた兵器より明らかに格上である。
実際に交戦している一同はそれを肌で感じ取っていた。
「ここに配備されている兵器、明らかに今までの兵器より性能が上ですね。
最も、汎用性を捨てているが故ではないかとも思えますが」
「そう考えると星峰が言っていた様に此の遺跡の兵器が回戦初期に製造された今後の拡張性を探る為の兵器という予測も信憑性を帯びてくるわね」
岬と空狐のこの会話に一同が感じているこの遺跡の兵器の危険性が収束されていた。
その会話の後、星峰は
「さっきの擬態兵器の一件といい、既にこの遺跡が完成した時点で太古の兵器の危険性は確立されていた可能性が高いわね、だとすると次に出てきそうなのは……」
といいその手に剣を握り締める。
星峰がそうした理由について天之御達は既に分かっていた。
「ああ、来るね……」
天之御がそう呟くと同時に一同が進んでいく先の通路の奥から鈍く重量感のある音が聞こえてくる。
そしてその音が次第に響き始め、一同の目の前に現れるとその姿を、大型兵器であるその姿を表わすのであった。
「大型兵器……しかもこれまで交戦してきた兵器より明らかに武装の種類が多いですね……」
空狐がそう呟くのも同然である。
その大型兵器の全身は機関銃やレーザーだけでなく、チェンソーやミサイル、大型砲台等これまで交戦してきた兵器に搭載されている武装がほぼ全て一纏めになっているのではないかと思える程に重武装していた。
「これまでの兵器の武装の見本市かよ……万が一こんな奴が外に出たら!!」
八咫はそう叫ぶと飛翔し、妖術で攻撃しようとするがそれを察知したのか兵器が全身の武装を乱射してくる。
そのあまりに多すぎる攻撃に八咫は回避には成功したものの、追跡してくる武装もある為に回避に精一杯になってしまう。
「ちっ、これじゃ反撃に移れねえ」
八咫がそう呟き、回避に手一杯になっている所を岬が
「なら、私が行きます!!」
と言って兵器に接近していき、得意の格闘術を叩き込む。
だが岬の格闘術で破損したかに見えた部分はその直後に瞬く間に再生していく。
「!!此奴、自己再生能力まで……」
困惑する岬を狙ってその兵器は隠されていたハンマーを振り下ろし、岬に叩きつけてくる。
咄嗟に妖術の壁を作り直撃は免れたものの、それでもその衝撃で跳ね飛ばされてしまう。
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