第851話 蠢く災の中へ
天之御がそう叫ぶと一同は顔を見合わせ、そして天之御の発言に同意した事を証明するかのように首を縦に振って頷く。
「え?と言うことは皆さんは……」
「ええ、このまま先に進んで兵器の侵攻を阻止してくるわ、何より、先史遺産の兵器がこんな所を彷徨いているのを放置しておく訳にはいかないもの」
指揮官が少々疑問を抱いた声を上げると星峰は明確に高返答する、それに対し指揮官は
「しかし、こんな通信機も使えない状況で……」
と告げ、此処で通信機が使えない状況が未だ改善されていない事を告げる、それについても岬が
「その通信機が使えない状態だって今の兵器が引き起こしている可能性もあるわ、そう考えれば尚の事放置は出来ない筈よ、此処でなんとしても阻止しなければならない」
と告げた事で指揮官も納得せざるを得なくなったのかそれ以上何かを聞いてくる事はなかった。
そして少しの沈黙の後
「……分かりました、ですが皆さんもくれぐれもお気をつけて、私達はこのまま上に戻り、司令官に現在のこの状況について説明します」
と告げる、それが指揮官にとって今、この状況で出来る精一杯の回答であった。
「ええ、そっちはお願いするわ。
場合によっては貴方方にも備えて貰う必要があるかもしれない、その事は忘れないで」
星峰がそう告げると指揮官は了承したのか、首を縦に振って頷き、配下を連れてその場から離脱していく。
「さて、此処から先はどうするかな?」
「正面から行く他ないでしょう、他に入り口はないんだし、もしあるんだとしてもそれをえっちらおっちらと探している余裕なんてこの状況では無いわ」
天之御が態とらしくすっとぼけた発言をすると星峰は敢えてそれに乗っかる、他の面々もそれで気が軽くなったのか少し安心した表情を浮かべる。
そしてその顔のまま、恐らくは魔窟となっているであろう扉の奥に視線を向け、扉を開けてその奥へと進んでいく。
すると案の定その奥には既に多くの兵器が待ち構えていた、しかも何れもこれまでに見た事の無い形状をしている。
「どの兵器もこれまでに見た事の無い外見だし、その形状も独特だね。
恐らくは汎用性よりも何らかの目的を持ち、それを中心に組み上げたんだろうけど……」
涙名がそう分析する間も無く、一同に向かって兵器は攻撃を仕掛けてくる。
その攻撃を避けるものの、種類は機関銃やレーザーだけでなくミサイルやドリル、チェンソー等多岐に渡っており、それも又これまでの兵器とは違う印象を与えてくる。
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