第822話 追い込まれる一同
「何なのあれ……此方の攻撃が通じていない?」
「攻撃が通じていないというよりもあれは……」
攻撃が通じない事に困惑する岬に対し、涙名は何かに気付いた様な声を出す。
だがその声に答えを続ける間もなくサルキスは
「ハハハハハ、どうした?此処まで来て威勢が尽き果てたか?」
と挑発的な言動と共に一同に向けて全身の火器を乱射してくる。
ミサイルやレーザー、機関銃と言った攻撃が雨霰と続き、それを躱すのだけで精一杯になってしまう。
「つっ……これだけ乱射されると回避するだけで……」
空狐が思わず弱音を漏らす。
そして他の面々もそれに反応出来ない程に攻撃の乱射に晒され、ただひたすら反応するだけで精一杯になってしまう。
「くっ、このままでは……何とかして突破口を開かなければ!!」
八咫はそう言うと上空に飛翔し
「黒羽の鎌鼬!!」
と言って鋭い切れ味の刃に変化させた黒羽を飛ばすがその羽根も又兵器にあたった瞬間に霧消してしまう。
「俺の攻撃も駄目だっていうのか!?」
八咫がそう言った隙を突き、サルキスは反撃のビームを撃ってくる。
妖術語の隙を完全に突かれた形になった八咫はそれを躱す事が出来ず、右腹部に被弾してしまう。
「八咫!!」
「大丈夫だ、此位の傷で立ち止まれるか!!」
岬が心配する声を出したのに対し、八咫は心配はいらないと言わんばかりの返答をする。
だがそれは逆に岬を心配させる。
八咫がこれまでの一件から無理をしているのではないかと思えたからだ。
「さあ、どんどん仕掛けさせてもらうぞ!!」
サルキスは引き続き容赦ない攻撃を加え、攻撃が通じない一同を窮地に追い込む。
「くっ、何とかして奴の使っている能力を暴かないと……」
そういうと涙名は攻撃を加えようとするがその前に攻撃を集中され、術を発動させる事が出来ない。
「……妙だわ、此奴の攻撃、さっきから涙名を特に優先的に狙っているような……だとすると此の無差別に見える攻撃も……もしそうだとしたら涙名に何かあるの?」
此処で岬がサルキスの行動にある違和感を抱く、だがその違和感を確かめる間も無くサルキスの攻撃は激しさを増し、一同は徐々に消耗し疲労していく。
「くっ、このままでは流石に……」
流石の一同も疲労と攻撃が通用しないと言う現状を打開する案が見つからない事に焦りと不安を募らせる。
そんな一同を嘲笑うかのようにサルキスは
「さて、そろそろ止めを刺してやろう」
といい、兵器の中心部分から巨大な砲台を出現させ、その部分にチャージを始める。
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