第814話 八咫の内心
「これだけの数の迎撃部隊を送り込んできたとなると、やはりこの部屋は余程重要な物が制御されていたようね」
「それはそうよ、何しろこの部屋は兵器と兵士の生産プラントを制御していたんだから」
岬の発言に対し既に部屋を調べ、対処している空狐はその発言への回答を行う、するとそれを聞いた八咫が
「!?生産プラントだと……なら、俺がさっき見たあの部屋も……」
と思わず大声を上げる。
「一寸、俺達じゃなくて俺限定なの?」
八咫の上げた声の内容に少し不満気な言葉を続ける岬、それに対し八咫は
「いや、確かに岬と一緒に見たプラントもあるが、それよりも前、此の塔の地下部分にもあったんだ。
明らかに先史遺産の遺跡から入手した技術で作り出したと思われる技術で作り出したと思われる生産プラントが」
と突入する前に見たプラントがある事を説明する。
それを聞いた岬は
「なるほどね……既に一つ見てたって訳か」
と納得した表情と声を浮かべる。
その返答を聞いた涙名は部屋のモニターを操作し
「八咫、此のモニターに映っている部屋の中にその該当する部屋はある?」
と問いかける。
すると八咫はモニターの映像を目に入れ
「ああ、あるぜ……此処だ」
とその中の一つを指さして答える。
そこは確かに八咫が一度訪れた生産プラントであり、又嘗ての悪夢を呼び醒ますような光景を見せられた場所でもあった。
「奴等は此処で人造生命を作り出していただけじゃねえ……あの光の亡霊まで方法はわからねえが複製していやがった……」
八咫がそう告げると他の三人の顔色が驚嘆したものになる。
「あの光の亡霊って……那智町の地下を始めとした先史遺産で遭遇したあの!?」
三人共心当たりはあった為、直ぐにや他に対して確認するような口調で問いかける。
その問いかけに対し八咫は
「ああ、間違いねえ。
具体的にどんな技術を用いたのかは分からねえが、俺は彼処で光の亡霊達と交戦した」
と答える。
その答えた言葉に抑揚は感じられないが、それが逆に八咫の内心を表しているのではないか、他の三人はそう考えずにはいられなかった。
八咫がどんな内心の傷を抱いているのか、その点は承知していたからだ。
「心配すんな、俺だってこの状況がどんな状況なのかは分かってる。
そして、此の怒りをぶつける機会も必ず有るって事は」
三人の心配を察知したのか、八咫はこう発言し、三人の不安を取り除こうとする。
その発言を聞き、三人の顔は取り敢えず安堵したものになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます