第781話 岬の突入
人族部隊同士の交戦するという傍目からすれば異様に映る光景を尻目に岬率いる魔神族部隊はどんどん要塞へと迫り、遂に外壁まで辿り着くことに成功する。
「漸く辿り着く事が出来たわね……」
「しかし、入り口らしきものはありませんね」
辿り着いた直後に兵士が入り口が無い事を確認する。
やはり此方側にも内部への入り口らしきものは建造されていないのだろう、それでこそ要塞と呼ばれるだけの事はある、岬は口にこそ出さないものの、内心そう思っていた。
「もとより玄関からお行儀よく入っていけるとは思っていなかったわ、だったらこうするまでよ!!」
そういうと岬は助走をつけて高く外壁に向かって飛びあがり、妖力を込めた拳を外壁に打ち込んでそこに穴を開け手を引っかける。
そのまま今度は足に妖力を込めて外壁を蹴り上げ、その足を外壁に蹴り込んで穴を開け足を引っかけて上に登っていく。
それを素早く繰り返し、外壁の上部分まで到達する。
「岬様、流石ですが我々はどうすれば?」
「貴方達はさっきの人族部隊を援護しに戻って!!私達の為に汚名をかぶる覚悟で戦ってくれているのよ、そんな彼等を死なせたら悔恨どころじゃない……
借りを作りっぱなしには出来ないからね!!」
「了解!!」
外壁に登り上がった岬から指示を受けた魔神族部隊は敬礼をした後体を反転させて先程までの戦場へと戻っていく。
その行動の迅速さに岬は
「……何よ、聞いているけど自分達も気になっているんじゃない」
と笑顔で見送っていた。
そう、魔神族部隊の兵士も先程の人族部隊の事は気になっていたのだ、本来であれば自分達も肩を並べたい、心よりそう思っていた。
そんな兵士達を見送った岬であったが、その外壁の下は既に兵士、兵器が待ち構えていた。
「やれやれ……どうやら歓迎は迅速に行う様に教育されている様ね」
岬はそう呟きながら外壁から要塞内部に飛び降りる。
そして地面につくまでの間に
「拳衝波妖」
と言って握りしめた拳に妖力を貯め、それを思い切り兵士や兵器が密集しているエリアへと振りかざす。
そこから放たれた衝撃波は単に当たった兵士と兵器を吹き飛ばすだけでなく、地面に直撃すると同時に波打ってその範囲外にいた兵士と兵器も崩れた地面に飲み込ませる事で一掃する。
そしてそれによって出来た包囲網の空白エリアに着地した岬は素早く兵士や兵器に駆け寄り鋭い格闘術で兵器や兵士を退けていく。
兵士や兵器も反撃をしてくるものの、動きの速い岬にはかすりもしない。
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