第731話 執拗な追撃の果てに
「又迎撃部隊……もう本当に執拗ですね!!」
「もうすぐ出口だからな、それだけ焦ってるって事じゃねえのか?」
シレットとモイスが口々にこう言うとコンスタリオは
「モイスの言う通りかもしれないわね、だからこそ気を抜かないで!!」
と強い口調で叱責とも鼓舞とも取れるように発する。
「ええ、分かっていますよ!!」
シレットはそういうと例によって雷撃で目の前に現れた兵器を攻撃し一掃する。
だがやはりというべきかその直後に背後から新たな兵器が出現し撃破された部隊をカバーしようとする。
そこにモイスがすかさず銃弾を撃ち込み背後から新たに表れた兵器も破壊する。
だがコンスタリオにはそれで終わりとは到底思えなかった、状況が先程までと余に似通っていたためである。
そしてその懸念が的中したのか、そのあと更なる兵器が出現しコンスタリオ小隊に追い打ちをかけようとする。
「くっ、出口が近いだけあって抵抗も激しい……」
シレットはそう呟くがコンスタリオは
「確かにシレットの言う通りだけど、本当にそれだけなの……まだ何かありそうな気がするわ……」
とこの激しい抵抗の裏に更に何かがあるのではないかという事を予感していた。
その予感を確かめる意味でもコンスタリオは兵器の集団に接近していき、得意の格闘術で兵器を粉砕していく。
その間モイスとシレットは輸送部隊を守り、彼等に指一本触れさせないように健闘していた。
コンスタリオによって兵器部隊は粉砕され、後は兵器の背後に見えていた出口に向かうだけになった……と思われたその時、尚も新たな兵器が地下から出現する。
「くっ、まだ兵器が来るというの……」
シレットは性懲りもなくといった印象の声でそう言うがコンスタリオは
「いいえ、これは只増援が来るというだけの話ではないわ!!」
と警戒心を強める。
コンスタリオの言葉に込められた警戒心を察知したのかモイスとシレットの表情も途端に堅い物になる。
これまでコンスタリオがこうした呼びかけをした際は必ずその警戒が的中していたからだ。
そして今回も無情にもそれは的中し、今まで迎撃してきた物と同型の兵器だけでなく大型の先史遺産の兵器もそれを引き連れて出現する。
「大型兵器……最大の用心棒を引き連れてきたって事か!!」
モイスがそう告げるとシレットは
「逆に言えば、あの兵器を破壊すればこの作戦の勝利は決まった事になるわね、ならここで怯んではいられないわ!!」
と言い、この状況を逆に戦意高揚に結び付ける。
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