第730話 現地部隊の覚悟
しかし、そうしている間にも兵器は次々と人族兵器に群がり、人族部隊を劣勢に追い込んでいく。
「どうなっているの!?さっきまでの兵器より明らかに動きや攻撃の精度が向上している……」
シレットがそう叫ぶとコンスタリオは
「データを共有して学習されたのかもしれないわね、だとしたらこいつらも早く倒さないとどんどん此方が不利になるわ!!」
と言葉を続け、兵器を背後から攻撃する形で次々と攻撃し破壊していく。
そして何とか兵器を退ける事に成功するものの、終わった後には人族部隊には多数の負傷者を出してしまっていた。
「くっ……これでは技術を運ぶ事に支障が……」
モイスがそう呟いた直後、一同に追い打ちをかける様に魔神族部隊が現れる。
「魔神族部隊!?よりによってこんな状況で……」
コンスタリオが思わず焦燥感を言葉に出してしまう、そんな状況での追い打ちは人族に確実に心理的なダメージを与える。
だがそれを察したのか、それともそうでないのかは不明だがその時現地部隊の司令官が
「皆さんは……皆さんは先に行って下さい!!」
と言い、コンスタリオ小隊に輸送対象を先導するように指示する。
「司令官さん……ですが……」
シレットが思わず反論しようとするが司令官は
「このまま全員で行こうとしても下手をすれば全滅して終わりです、そうであるならばせめて貴方方と輸送対象だけでもこの場から行って下さい!!
無論、心配せずとも我々とて犬死するつもりはありません」
と諭すような、しかし確実に強い意志を込めた言葉でシレットを制する。
それを聞いたコンスタリオは
「……分かりました、必ず無事に届けて見せます。
どうかご武運を!!」
と告げる。
それを聞いた司令官は
「輸送対象の移送者はコンスタリオ小隊に続け、それ以外のまだ戦える者は魔神族部隊の前に立ち塞がれ!!
奴等をこの先に行かせるな!!」
と告げた後、自ら先陣を切って魔神族部隊に突撃を仕掛けていき、残る兵士達もそれに続けて魔神族部隊に向かっていく。
それを見届けたコンスタリオ小隊は輸送対象と合流し、後ろ髪を引かれながらもその場を後にし、目的地である外へと向かっていく。
「さっきの兵器……それに魔神族、この森に眠っている先史遺産にはどの様な呪いがかかっているというの……」
先史遺産という物の不気味さを改めて実感するコンスタリオ、その内心には確実に今回の一件に対する疑念が浮かんでいた。
そしてその疑念を象徴するかのようにまたしても兵器が出現する。
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