第640話 嵐の前の静けさ
前回最後に調査したプラントに移動し、プラントが稼働していない事を確認した後一同は今後の行動を話し始める。
その場に移動はしてきたものの、具体的にどこに向かうかまでは決めていなかった為だ、だがそれは決して安易に行動した訳でもない。
「前回入手したデータによればこの先にも別のプラントがある筈よ」
星峰はそう一同に告げる、だがそのプラントにあるのは制御装置やカプセルの類ばかりであり、先に進めそうな場所は見当たらない。
「この先って……一体何処を指しているの?」
岬は疑問を持った声で星峰に問いかける、すると星峰は入り口から一番通遠い壁へと向かっていき、その壁の一部を叩く。するとその壁の裏側に隠されていたスイッチがその姿を現し、星峰がその電源を入れると同時に壁の一部が動き出してその奥に繋がる隠し通路が出現する。
「そんな所に隠し通路が……その先に更なるプラントがあるんだね」
涙名が少し驚きながらそう口にすると星峰は
「ええ、ブントがこの技術を既に手にしている以上、その出所となるこの施設にも同様の技術が用いられている事は十分に考えられたけど、実際にこうして目にしてみると改めてここが出所だと実感させられるわ。
そして、気を引き締めて」
と技術について感想を述べると同時に意味深な一言を付け加える。
「気を引き締めて……とはどういう意味です?」
その意図を汲み取れなかったのか、豊雲が星峰に対して質問する、すると星峰は
「此処から先はブントも足を踏み入れていない場所、だけど防衛システムが起動している可能性は十分考えられるわ」
と言い、そこまでを聴いて豊雲は
「成程……その防衛システムに全く未知の兵器が含まれている可能性があるという事ですね」
と返答し、その返答に星峰が納得した表情を浮かべる所を見ると真意は伝わった様である。
だがそれを見て豊雲の顔が曇る様な事は無かった、寧ろ望む所!!と言った気迫が感じられる表情を浮かべる。
「さあ、行きましょう!!」
星峰がそう先導すると一同は現れた隠し通路の先へと進んでいく。
その通路は施設の中とは思えない程明かりが無くて薄暗く、ここで何かの作業をするのはとても出来そうにない、本当にただ単に通路として作られたとしか言い様がない空間であった。
「静かな通路ね……気持ちを落ち着かせる為ならこの上ない空間……のように感じるけど」
「ええ、今はそれが逆に気持ちを不安にさせてくれるわ」
空弧がふと不安を漏らすと星峰もそれに賛同する、そしてそれを的中させるかのように一同が通路の出口に足を踏み入れた瞬間機関銃の嵐が鳴り響く。
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