第541話 悪夢の既視感
そして火山地帯の麓に目を向けるがそれを見たコンスタリオの顔色が変わる。
「隊長?一体どうし……えっ!?」
コンスタリオと同様に飛空艇の窓に近寄り、視線を戦場へと向けたシレットも又同じ様に顔色を変える。そこには今まで見た事が無い規模で兵器が出現しており、迎撃に出た現地の防衛部隊と交戦していた。
「何なんだよあの数……今まで見た事ねえぞ!!」
「ええ、あれだけの数の兵器に侵攻されたら大変な事になる!!直ちに私達も戦場に加わるわよ!!」
モイスの驚嘆する言葉にコンスタリオは直ちに介入を決め、それにシレットとモイスも頷く。そのままコンスタリオは飛空艇の砲撃を火山の麓から新たに接近している兵器に向かって放ちつつそれと同時に地上へと降りていく。
そして地上に降り、現地部隊の指揮官の元に辿り着くと
「戦況は一体どうなっているんです?」
と指揮官に問いかける。すると指揮官は
「進行方向は分かりきっていましたので直ぐに迎撃態勢を整える事は出来ましたが兵器の戦力数が此方の予測を遥かに上回っており、徐々にではあるものの劣勢に追い込まれています。
何とかして他のタウンの防衛戦力が整うまでは此処で押さえたいのですが……」
と告げ、現状の戦況があまり芳しくない事を告げる。
「他のタウンの防衛戦力はどのくらいで整うんですか?」
シレットが指揮官に問いかけると指揮官は
「正確な時間は分かりません……此処一体のタウンはそれぞれの連携意識が特に希薄であり、このような事態に陥っても尚自分達のプライドを優先しがちなのです。
故にそこを魔神族に突かれ、窮地に陥った事も一度や二度の話ではありません。だとすると今回も……」
と焦った様な顔を見せる。その言葉を聞き、モイスは
「こんな状況でも手柄争いの方が重要だっていうのか……」
と憤りを隠せない。だが
「今ここでそれを言っても始まらないわ。それよりも早く迎撃にかかりましょう!!」
と言うシレットの言葉に取り敢えず納得し、そのまま兵器の迎撃へと向かう。
コンスタリオ小隊が加わった事や飛空艇の砲撃もあり、人族部隊は兵器を押し返す事には一旦は成功する。だが次から次へと出現する兵器の数に次第に部隊全体に焦りが見えてくる。
「くっ、一体どこからこれだけの数が現れてるっていうんだ……」
「この前のオアシス駐留部隊が襲撃を受けた時と同じね」
周囲の部隊と同様に焦りを見せ始めるモイスの言葉に続き、コンスタリオは嫌な予感を感じずにはいられなくなる発言を続ける。
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