第478話 思わぬ再会へ

「モイス、何時から其処に?」


真顔でコンスタリオが問いかけている所を見ると、どうやらモイスが此処に立っていたのには気付いていなかったようだ。


「別に立ち聞きとかをしてた訳じゃない。気分転換に部屋から出て歩いていたら二人の話し声が聞こえただけだ」


少し恥ずかしがり屋と言える表情を浮かべてモイスは答える。その様子を見てシレットとコンスタリオは何処か安心した様子を見せる。どうやら先程のモイスの言葉に嘘が無い事を確認したようだ。


「そうね、行きましょう。ここでじっとしていても始まらないのは同じ訳だし」


シレットのその言葉でモイスも同行する事が決まり、三人は外に出て飛空艇に乗り込む。


「で……どこに向かうつもりなんだ?」

「オンディーズタウンに向かうわ」


モイスの問いかけに対し、コンスタリオはこう答える。


「オンディーズタウンって、確か私達が初めてこの西大陸を訪れた時に行ったタウンですよね?」

「ええ、そして現状この西大陸で最も大きなタウン、ローティータウンに最も近いタウンでもある」


シレットの問いかけに対しこう返答するコンスタリオ、その返答からコンスタリオの真意を悟ったのか


「成程、まずはオンディーズタウンで情報を仕入れ、場合によってはローティータウンに接触、そこまでいかなくても現状の首都と言えるローティータウンについて調べてみたいって訳か」


とモイスが言葉を並べる。それに対し


「ええ、もしその首都が万が一良からぬ事を考えていたりしたら危険は伴うけどね。先日の一件から考えても何かしゃしゃり出る奴が居ないとも限らない」


とコンスタリオは返答する。その返答にシレットとモイスは納得はするものの、同時にコンスタリオの中にも自分達と同様、西大陸の人族部隊に対する懸案、不信感が少なからずある事を察する。そうこう話している間に飛空艇は目的地であるオンディーズタウンへと到着し、三人は飛空艇を降りてタウンの中に入って行く。


「おや?貴方方は何時かの……」


タウンの中に入ると一人の兵士が三人に近付いて声をかけてくる。


「何時かのって事は、私達の事を知っているんですか?」


シレットがそう問いかけるとその兵士は


「ええ、このタウンの防衛戦に参加して頂いた事、忘れていませんよ」


と告げる。どうやらタウン防衛戦で共に戦った兵士の用だ。


「そうだったんですか……」


自分達を覚えていてくれた事に嬉しさと戸惑いを隠せない三人、そんな三人に兵士は


「所で、本日はどの様な用件でここに?」


と尋ねる。

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