第434話 星峰捜索

基地司令の通信を受けた部隊は直ちに現場に急行し、その周辺を捜索する。その中の隊員が


「隊長、あれを見て下さい!!」


と言ってとある場所を指差す。するとそこには何かが光っているのが見えた。捜索部隊が駆け寄るとそこには星峰の通信機が落ちており、少なくとも星峰がここに居た事は確実となった。


「通信機が落ちていたか。この事は私が司令に連絡する。君達は周辺を捜索し星峰さんやそれに繋がりそうな手掛かりがないか探すんだ!!」


部隊の隊長らしき魔神族がそう告げると隊員は一斉に敬礼し周辺の捜索に当たる。どうやら統率はかなりとれている様だ。それを確認すると隊長は司令に通信を繋ぎ、星峰の通信機を発見した事を告げる。


「通信機が発見された場所は何処なの?」


司令と共にその通信を聞いていた岬がそう問いかける。司令よりも先にその言葉が出て来る所に余裕が無く、焦りを抱いている事は容易に想像出来た。それを感じ取ったのか涙名は


「落ち着いて岬、それを今から話してくれようとしてるんだ」


と岬に落ち着く様に促す。それを聞た岬は自覚したのか多少恥ずかしげな顔で縮こまりながら


「あ……そうよね……」


と呟く。だがこの様子を揶揄っている余裕等当然なかった。そのやり取りが終わると


「通信機が見つかったのは森の入り口付近です。はっきりと言ってしまえば、ここまでは土地勘が無くても誰でも来る事は出来ますね。複雑なのはこの奥ですから」


捜索部隊隊長がそう告げると天之御は


「星峰は迎撃の為に入り口から少し奥にワープした……でもその後に出現した後続部隊の反応は入り口付近で食い止められている……いや、もしかしたら!?」


と何か嫌な予感を感じ、それを感じ取ったのか空弧が


「天之御様、もしかしたら……」


と何かを話しかける。すると天之御は


「僕も同じ事を考えているかもしれない。だとしたら……」


と空弧と顔を見合わせて言う。それは二人の予感が同じ様な物であるという事を意味していた。


「駄目です、このエリアには他に手掛かりになりそうなものはありません」


現場で捜索に当たっていた捜索部隊隊員が隊長に向かってそう話しかける。それを聞いた基地司令は


「分かった。もう少し奥まで進んで調査を続行して。但し、くれぐれも周囲への警戒は怠らない様に。なんせその森は街の住民も滅多に足を踏み入れないんだからね。

一応地図はあるけど、何処がどう変わっていても可笑しくはないから」


と伝え、捜索を続行するように指示を出す。

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