第375話 新たな通路へ
その直後から天之御と星峰は部屋にある資料を片っ端からチェックし、それらに記載されている情報を探っていく。その様子は先程韓z似た嫌な予感を払拭しようとしている様にも確証を得ようとしている様にもどちらにも取れる。その気迫に圧倒されたのか、他の面々も彼等に続いて資料を片っ端から調べていく。しかし植物の栽培方法については情報を得られるものの、それ以外の情報についてはからっきし入手出来ない。どうやらここは植物の栽培に特化した部屋の様であり、それ以外の情報については一切入手できなかった。
更に外部とのネットワークも構築されておらず、部屋の機械から施設内の他のデータベースにアクセスする事も出来ない。まるでここだけが外から完全に隔離されている、そうとすら思える様な部屋であった。
「そろそろ次に向かった方がよいのでは?」
岬がそう告げると他の面々は言葉こそ発しないものの、既に粗方の資料を調査していたこともあり部屋の外へと移動する。幸いにも部屋の外に出迎えの兵器はおらず、一同は身構えていたのをすぐさま緩めることが出来た。この状況で警戒しないのは迂闊すぎるからだ。それゆえ、逆に星峰は
「何故兵器はこの部屋に居る時に襲撃してこなかったの?施設中の兵器をかき集めるには十分な時間があった筈なのに……もしそれをしてこなかったのではなく、出来なかったのだとしたらその理由は……」
と、改めてこの部屋の特殊性を疑うのであった。だがこの通路の先には道はなく、一同は来た道を戻る以外に選択肢はなかった。その為これまで来た道を逆走し、入り口まで戻ってくる。先程倒した機械兵士の残骸は未だ転がっており、動いた形跡はない。恐らく他の兵器が出入りした訳ではないのだろう。一同はそのまま今来た通路とは違う通路へとその足を運んでいく。しかし、そう簡単に行かせてくれる筈も無く、一行の目の前には又しても機械兵士が立ち塞がる。
「又兵器が立ち塞がってくる……リアルタイムで量産されているの?」
空弧はそう呟くと再び赤き小波で機械兵士を押し流そうとするが今度は完全には押し流せず数体が尚も突進してくる。
「攻撃を耐え忍んできた!?この兵士……防御力が強化されているの?」
手にした剣で弱らせた装甲を突き、確実に兵士を一体ずつ仕留めていく中で空弧はそう呟く。すると天之御が
「魔王妖術……漆黒の千里眼!!」
と言い、両目を閉じて兵器に顔を向ける。そしてその直後に
「そうだね。この兵士はさっきまでの奴等より装甲が強化されてる。もっとダメージを与えないと倒せないよ!!」
と告げる。
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